臨床検査部について

臨床検査部では、病気の診断を行うために必要となる検査データを提供しています。検査には、血液や尿を使用した検体検査と、心電図や超音波などを使用した生理検査があり、外部精度管理などにも参加することで、高い検査精度と技術を保っています。また採血業務や、インフルエンザなどの検体採取、心臓カテーテル検査モニタリング、術中S-SEPモニタリングも行っています。近年では、血糖自己測定の指導や心臓リハビリテーション、婦人科領域におけるチーム医療にも参加しています。
当院は2次救急病院であり、それに応じ迅速に検査データを提供できるように夜間・休日は当直体制をとり、医療による社会貢献を目指し、日々努力しています。

スタッフ紹介(2025.04時点)

臨床検査技師 15名

採血室担当看護師 1名

検査事務 1名

有資格者

超音波検査士

1名

認定心電検査技師

1名

心電図検定1級

4名

二級臨床検査士(血液学)

1名

緊急臨床検査士

3名

毒物劇物取扱者資格

2名

ICLS認定インストラクター

1名

検体検査

検体検査では、患者さんより採血された血液を中心に、尿やその他のものを検体として各種の検査を行っています。
生化学自動分析装置では、蛋白質(TP)、総コレストロール(T-CHO)、血糖値(GLU)やクレアチニン(CRE)などを測定しています。免疫自動分析装置では、甲状腺機能(FT4、TSH)、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)、感染症検査などの検査を行っています。

また、全自動血球分析装置では、赤血球、白血球やヘモグロビンなどを、全自動尿分析装置では、尿中に含まれる糖や蛋白質などの測定を行っています。輸血に関しても当院は自動輸血検査装置を導入しており、輸血に必要な検査である血液型・不規則抗体スクリーニング検査・交差適合試験をいつでも迅速に実施できる体制をとっています。
上記の検査は24時間体制で測定を行っており、医師の依頼に応じてスムーズに結果報告を行っています。

  • 自動分析装置のイメージ

    自動分析装置

    Bio Majesty ZERO JCA-ZS050(日本電子)

  • 免疫測定装置のイメージ

    免疫測定装置

    Cobas pro 〈503|801〉(ロシュ・ダイアグノスティックス)

  • 全自動血球分析装置のイメージ

    全自動血球分析装置

    XN-2000(シスメックス)

  • 全自動尿分析装置のイメージ

    全自動尿分析装置

    US-3500(栄研化学)

  • 血液凝固自動分析装置のイメージ

    血液凝固自動分析装置

    CP3000(積水メディカル)

  • 全自動輸血検査装置のイメージ

    全自動輸血検査装置

    ORTHO VISION swift(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス)

細菌検査

細菌検査室では、患者さんより採取された喀痰や尿、血液、便、膿などの検体から感染症の原因となる微生物を検出するために、塗抹検査や培養・同定検査を行い、その原因菌の治療に有効な抗生物質を調べる薬剤感受性検査を行っています。また、コロナやインフルエンザ検査、ノロウイルス、D1毒素、溶連菌の迅速検査も行っています。
近年、病院内感染を起こす薬剤耐性菌の検出が全国的に問題になっています。当院の細菌検査室も感染対策チーム(ICT)の一員として、院内ラウンドに参加したり、薬剤耐性菌の検出状況や統計データを臨床に報告しています。

細菌検査のイメージ

心電図検査

心電図検査では、不整脈の有無や心筋梗塞・狭心症・心肥大・伝導障害の評価を含む心臓の状態を調べる検査です。
患者さんにベッドに横になっていただき、胸に6ヵ所と両手首・両足首に電極を装着することにより心電図が記録されます。この検査は、痛みも無く数分で終了します。
またこの他にも運動負荷心電図やホルター心電図の検査も実施しています。

狭心症の患者さんの異常波形や、不整脈の有る患者さんは、常にその波形が出ていて記録できるとは限りません。負荷心電図では、2段の階段を上がり下がりする運動で心臓に負荷をかけることにより、狭心症発作が起こり心電図に現れることがあります。
ホルター心電図では患者さんに24時間心電図が記録できる小さな機器を装着してもらい、それに不整脈が記録されることもあります。

心電図検査のイメージ
心電図検査 心電計 FCP-9800(フクダ電子)

脳波検査

脳波は人間が生活をして脳を働かせることで頭の頭皮上から微弱な電位が発生されます。これを記録することで、てんかん・脳腫瘍・脳血管障害・脳損傷・脳炎・髄膜炎・薬物中毒・意識障害等に対しての脳波検査が実施されます。
患者さんの頭部に電極を装着した後ベッドに横になって頂き記録します。痛みも無く約30分で検査は終了します。

脳波検査のイメージ
脳波検査 脳波計 EEG-1214(日本光電)

超音波検査(エコー)

超音波検査は、高い周波数を発生させる探触子を体の表面に押し当て体内での音波のはね返りを利用して各種臓器の状態を調べる検査です。この超音波は無害で痛みも無くベッドに横になるだけで検査が可能です。

この度当院ではGE社製の超音波の機械である「LOGIC E10s」を新しく導入いたしました。浅部から深部、横方向まで、全視野・全深度において高分解能の画像が得られ、GE独自の機能であるHybrid B-Flowで、微細な血流信号を増幅し可視化する機能も搭載しています。いろいろなエコー検査にマルチに対応可能な機械になります。
検査内容として、心臓・乳腺・甲状腺・表在・腹部臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓等)・前立腺・筋肉・関節・各種血管(頸動脈エコー、下肢血管エコー等)、婦人科領域等、幅広い検査を実施しています。
検査の際には朝食を控えていただき、検査中は患者さんに息を大きく吸って止めて頂いたり、体の向きを変えていただくこともありますので、ご協力よろしくお願いします。

超音波検査のイメージ
超音波診断装置LOGIQ E10s(GEヘルスケア・ジャパン)

心臓超音波検査(心エコー)

心臓超音波検査(心エコー)とは、人の耳には聞こえないほどの高周波数の超音波を心臓に発信し、返ってくるエコー(反射波)を受診して心臓の様子を画像に映し出して診断する検査です。X線撮影やRI検査のように放射線による被曝の心配がないので、妊娠している方や乳幼児でも安心して検査を受けることができます。
この検査の目的は、心臓の形の異常を発見する形態的診断と心臓の働きを見る機能的診断になります。

いろいろな方向から心臓を観察しますので、検査時間が20~30分ほどかかります。ただし、検査を受けられる方の病気の種類や体の状態によっては検査時間が長くなることがあります。

心臓超音波検査のイメージ
超音波診断装置 Vivid E95(GEヘルスケア・ジャパン)

血圧脈波検査(ABI)

血圧脈波検査とは、動脈硬化の程度を評価する検査になります。
両側の上腕と足首の血圧の比を算出し、動脈の血管が狭くなっていないか、詰まったりしていないかなどの評価を行います。この検査を行うことで血管年齢を算出することができます。

血圧脈波検査のイメージ

PSG検査

SAS(睡眠時無呼吸症候群)の発見、診療のために行なうPSG検査は、呼吸の状態と睡眠の状態を同時に観察する検査です。検査は、睡眠ポリグラフィー測定記録装置という睡眠時無呼吸症候群専用の医療機器を患者さんに装着して行います。当院では1泊2日の入院でPSG検査を行います。患者さんに電極やセンサーを体につけて一晩寝ていただく検査で、痛みを伴う検査ではありません。寝返りをうつこともでき、常日頃から寝ている体勢で検査をすることができます。SAS(睡眠時無呼吸症候群)は突然死につながる危険性があり、死亡件数は毎年約3,800件以上あります。「いびき」のある方は、ご家族や近親者の方に「いびき」の確認をしていただき、ご心配な場合は、診療・検査をおすすめします。