OITA NAKAMURA HOSPITAL

Feature[ 特集 ]

想いをつなぐ架け橋としてー 生活の質を支える地域連携室

speaker 話し手

患者さんの入院や転院先の調整、退院後の生活をサポートする「地域連携室」。地域の関係機関や院内の専門職と連携しながら、患者さんとその家族の希望に寄り添い、より良い選択ができるよう支援する役割を担っている。その現場で日々奮闘する看護師と医療ソーシャルワーカーが、自身の原点や現場での想い、大切にしている価値観について語り合った。

河室奈々

河室奈々(かわむろ なな)

役職

地域連携室 師長

入職歴

23年

荒木友美

荒木友美(あらき ともみ)

役職

地域連携室 主任

入職歴

14年

誰かの支えになること。その想いが、私たちの原点。

―医療の現場を目指したきっかけは何ですか?

荒木高校生の頃、ちょうど進路を考える時期に“福祉って何だろう?”という興味を持ちはじめました。介護やボランティアの違いもよく分からなかったのですが、調べていくうちに“社会福祉士”の資格があることを知って、そこから本格的に関心を持つようになりました。姉も同じ道を目指していて、同じ大学に進学したのも大きかったですね。

河室福祉を学びながら、どんな現場を経験されたんですか?

荒木私は昔から子どもが好きで、大学時代には障害児と関わる実習がとても楽しかったです。自閉症など、さまざまな障害についての理解を深めながら、“その人らしく生きるって何だろう”ということを学び、考える日々でした。卒業後は障害児の施設に就職して、支援員として生活の支援を行っていました。

河室支援員から相談員の道へ進まれた理由は何ですか?

荒木支援員は日常生活の支援が中心でしたが、私は“社会福祉士として学んできた知識を、もっと相談業務に活かしたい”という想いが強くなっていきました。ちょうど姉が「太陽の家」で相談員として働いていたことも刺激になり、相談業務ができる職場へ転職することを決めました。病院の相談員は、限られた時間で的確な支援を求められる難しさがある一方で、多様な背景や疾患を持つ方と関わることができ、学びの幅が広がると考え、チャレンジを決めました。河室師長が看護師を目指すようになったのは、いつ頃だったのでしょうか?

河室きっかけは、小学4年生のときに見たニュース映像でした。バイクと車の事故で、バイクに乗っていた方が道路に倒れている様子がテレビに映し出されていました。誰もその方のそばに駆け寄る人がいない光景を見て、「ひとりぼっちで辛いだろうな」「きっと痛いだろうな」と胸が苦しくなったのを今でも覚えています。その時、“自分があの人のそばにいられたら”“なにか力になれたら”と、強く思ったことが、今につながる原点です。

荒木それが今の職業に結びついていったのですね。

河室はい。その体験が強く残っていて、家で見返した小学校の文集に “看護師になりたい”と書いていました。その気持ちはずっと変わらなかったですね。高校は看護に特化した専門のコースに進み、より専門的な知識や技術を身につけるため岡山県の看護学校で学びました。卒業後、当院に入職しました。

荒木就職先に大分中村病院を選んだ理由はありますか?

河室看護学校卒業後は、大分に戻って働きたい気持ちが強くて。知人のお姉さんが大分中村病院のICUで働いていると聞いて、初めて当院を知りました。そこから調べてみたら、救急医療に力を入れている病院だとわかって。“救急に携わる”というのは、子供の頃の原体験ともつながっていて、「ここで働きたい」と思って志望しました。

患者やその家族の想いに寄り添う地域連携室の役割とは

―お二人が所属する「地域連携室」の役割や現在従事している業務について教えてください。

河室 地域連携室は、多職種で構成され、患者さんが適切な医療を受けられるよう病院間や診療所間の連携を促進し、院内各部署とも連携して外来受診から、入院・退院までをサポートしています。主な業務は「前方支援」「後方支援」「病床管理」の3つに分かれます。前方支援では紹介患者さんの受診・入院の調整や情報提供を行い、後方支援では退院調整や退院前カンファレンスを通じて、退院後も安心して生活できる体制を整えています。

荒木地域連携室は、患者さんと他院や施設、ケアマネージャー、訪問看護などの関係機関をつなぐ“パイプ役”だと考えています。スムーズな受診・入院・退院ができるように調整し、より良い医療と支援を提供する役割を担っています。

―その中でのお二人の役割は?

荒木私の主な役割は、入院患者さんやご家族の相談窓口として、退院後の生活に向けた支援を行うことです。たとえば、自宅に戻るのが難しい方には施設を紹介したり、家での生活を希望される方には介護保険や障がい福祉サービスなどを活用し、できる限りご希望に沿った環境づくりをサポートします。ただ病気や障がいを見るのではなく、その方の人生や価値観、家族関係、生活背景なども含めて「その人らしい生活」を一緒に考えるよう心がけています。

河室最近では、患者さんやご家族が抱える背景も多様になっていますよね。

荒木そうですね。最近では少子高齢化や核家族化などにより支援者がいない、生活困難、金銭的不安など多くの課題があります。そういった悩みはなかなか打ち明けづらいので、私たちから積極的に声をかけたり、話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。患者さんが安心して治療に専念できるように、また退院後の生活に不安を感じないように支えることが私たちの大切な役割だと思います。

河室私は2年前に地域連携部配属となり、主に病床管理を担当しています。具体的には、予定入院や他院からの転院、外来、救急からの緊急入院など、すべての入院経路に対応し、入院と退院のバランスを見ながら、医師の指示のもと、病棟師長と入院のお部屋を調整する役割です。

当院は急性期病棟120床、回復期リハビリテーション病棟80床、地域包括ケア病棟60床を持つケアミックス型病院です。二次救急とリハビリテーションを柱に、地域包括ケアシステムのハブ病院として「断らない医療」を実践し、地域に貢献することを目指して日々病床管理を行っています。

荒木病床管理において何か意識していることはありますか?

河室患者さんが安心して療養できる環境はとても重要ですよね。患者さんやご家族からの部屋の希望もありますし、実際にはベッドの空き状況、特に男女別の空き状況なども関わってきます。理想は、希望に沿った最適な病棟・お部屋を提供することですが、現実には限られたベッド数の中で、入院中の患者さんの状況も病棟師長に確認しながら病院全体の病床状況を見て調整していくことが日々の大きな役割になっています。

荒木地域連携部に移動して何か変化したことはありますか?

河室以前は自院のことを中心に見ていたのですが、今は“大分全体”という視点に変わってきました。地域全体の医療の流れの中で、自分たちの病院がどんな役割を果たすべきかを考えるようになりました。例えば大学病院や県立病院などの三次救急で対応が必要な重症の患者さんがいて、治療が落ち着いたあとはリハビリ目的で当院に来られる。そうやって救急が滞らずにスムーズに流れることが、結果的に地域の医療を支えることにつながる。今は、そういった視点を大切にしています。

―現在はお二人とも地域連携室に所属されていますが、それぞれの印象を教えてください。

河室私が病棟勤務をしていた頃に、荒木主任と同じ病棟で一緒に働いた時期がありました。その中で感じたのは、荒木主任は仕事が丁寧で、患者さんやご家族はもちろん、医師や他のコメディカル、リハビリスタッフともスムーズな連携ができる関係性を築いていて、医療ソーシャルワーカーの重要性を実感しました。私たちはどうしても“医療”の視点に偏りがちですが、社会福祉士は“生活者”の視点を持ち、退院後、患者さんが安心して生活が送れるように多職種で連携していく中で支えになってもらいました。

荒木主任は私が地域連携室に異動になって、「主任」になったんですよね。小さなお子さんを育てながら、責任ある役割を担うのは、本当に大変だったと思います。でも、そんな中でもその役割を引き受けてくださって。新人スタッフに対する指導などもお願いしているのですが、そこもしっかり気にかけてくださっていて、安心して働けていると思います。

私自身、日々の業務の中でも社会福祉士の視点から様々なことを教えていただいています。荒木主任のこれまでの経験や豊富な知識、相手のペースを見ながら丁寧に接してくださるところに、いつも本当に助けられています。とても大きな存在です。

荒木すごいお言葉をありがとうございます。河室師長は誰もが認めるすごい方です! 看護師として病棟で活躍されていた方が、現在は病床管理や地域連携室をまとめる師長という、まったく異なる役割を担っていますよね。転職のような大きな変化で、不安や戸惑いもあったと思いますが、知識を吸収され、頑張っていらっしゃる姿に、いつも感銘を受けています。

病床の管理というのは、空いているベッドに患者さんを入れればいいという簡単なものではありません。患者さん一人ひとりに合った病棟や部屋を考え、病棟全体のバランスをとりながら、医師の意見やスタッフの状況にも気を配らなければいけない。常に難しさがある仕事です。その複雑な業務に日々向き合い、実行してらっしゃる姿を見ていると、私たちも本当に頑張らなきゃ、という気持ちになります。

患者さんの笑顔や、家族の心に残る言葉が自身の成長を支えてくれた。

―これまでの医療現場で印象に残っているエピソードを教えてください。

河室外来在籍中の2018年に、ウロギネセンターの設立に関わりました。このセンターは、女性の骨盤底症状に対する包括的な診療を提供することを目的に始まりました。活動のひとつとして、西田産婦人科部長(兼ウロギネセンター長)と産後骨盤底症状調査に取り組み、日本女性骨盤底医学会でも発表させていただきました。その学会の中で、ペッサリー講習会を受講しまして、ペッサリー管理の基礎や自己着脱法について学ぶ機会もありました。

荒木ペッサリーというのは、骨盤臓器脱の治療に使われる器具ですよね?

河室そうです。骨盤臓器脱というのは、子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器を支える筋肉や靭帯が弱くなって、臓器が下がってきてしまう状態です。2019年には「ペッサリー看護外来」を開設して、そうした患者さんに向けて、ペッサリーの自己着脱指導や自己管理の支援を行うようになりました。

荒木看護師さんと患者さんと2人で練習をするんですか? 

河室そうですね。もちろん、先生の指示が出るんですが、その上で、患者さんに予約をしてもらい、来院していただくという流れです。実際の対応では、みなさん、はじめて取り扱うので、自分にできるのだろうかと不安を抱えておられます。外来診療時間とは別に、時間を十分確保しているので、これまで悩んでこられたことやお困りごとについてお話を伺いながら、個々のライフスタイルにあった方法で、患者さんと一緒に無理なく進めていきます。

荒木印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

河室はい。ご両親の介護があって手術入院や、定期的に通院するのが難しいということで、自己着脱指導を行うことになった方がいらっしゃいました。なかなか出し入れが難しくて患者さんと試行錯誤しながら、無事に着脱できたときには、一緒に心から喜びました。患者さんが自分らしくより快適な生活を送ることができる、生活の質が向上する、そのお手伝いができたことに看護師としての大きなやりがいを感じました。

荒木:患者さんの笑顔を見たら「やった!」っていう達成感を感じられますね。

河室本当にそうですね。患者さんと一緒に達成感を感じられるのが、嬉しいですね。患者さんはそれぞれ目的があって来てくださっているので、「ちゃんとできた」「達成できた」という瞬間に立ち会えると、本当によかったなっと思います。

―荒木主任の印象に残っているエピソードを教えてください。

荒木:新人の頃、大分に旅行に来ていた際に外傷性くも膜下出血で入院となった患者さんがいらっしゃって、県外の医療機関への転院を希望されていたんです。私自身、県外への転院対応は初めてで、「どうやって進めたらいいんだろう」と戸惑いながらお話を聞いていました。その不安が表情や態度に出ていたと思います。

ご家族として娘さんと息子さんが付き添われていて、患者さんはもう寝たきりの状態で、まだ脳外の治療中というタイミングでした。「この状態で本当に転院できるんだろうか」「誰に何を相談したらいいんだろう」と頭の中がいっぱいになっていたと思います。おそらく、私の動揺は隠しきれていなかったんでしょうね。その時こう言われたんです。「私達にとってあなたが新人かベテランかは関係ありません。あなたが担当であなたによって私達の人生は大きく変わります」。その言葉に、改めて社会福祉士という仕事の責任の重さに気が付くことができました。それからは経験したことがある、ないに関係なく責任もって対応することを心掛けるようにしています。

河室それは心に響く言葉ですね。今は後輩の育成もされていますよね。その時の経験が活きていると感じますか?

荒木:はい。今では後輩の指導をする立場になったので、よくこの話を例に出して伝えています。「患者さんにとっては、新人かどうかは関係ない。でも、わからないことはきちんとフォローするから、必ず相談してね」と。患者さんやご家族の人生に深く関わるのが、相談員という仕事です。転院先が見つかるかどうか、施設をどう選ぶか、その選択肢をどれだけ提示できるか。それによって本当に人生が変わることがあるんです。だからこそ、甘えたくないし、妥協したくないと思います。

河室ご家族から、その言葉をかけていただいたこと、託していただいた経験が今の後輩指導に繋がっているんですね。ありがたいなと思いますね。

荒木:本当にそう思います。新人の時はわからないことがたくさんあります。だから、わからない時は素直に「わかりません」と伝えられ、周りがフォローできるような環境づくりを心掛けています。また、その時にしっかりフォローができるように、自分ももっと学んで成長していかなければと強く感じています。

地域と医療を結ぶ“かけ橋”として、大切にしている支援のかたち

―本メディアのテーマでもある「ウェルビーイング」をどう捉えていらっしゃいますか?またお仕事やご自分の人生でどのようにウェルビーイングを実現していますか?

河室私は「ウェルビーイング」という言葉を、患者さんへの看護を通して知りました。でも、それをきっかけに、自分自身のこととしても考えるようになったんです。もちろん仕事は大切ですが、プライベートも充実させながら、自分らしい人生を選んでいくことの大切さを、この病院での経験を通して実感しています。

入職してから、若いうちに結婚・出産を経験したのですが、職場の温かいサポートがあり、安心して子育てと仕事を両立することができました。第2子出産後、子育てを優先したいという思いがあり、パート復帰する予定でしたが、ちょうど育児・介護休業法が改定された年で、各事業所に短時間勤務制度の導入が義務付けられました。総務課・看護部長の勧めもあり、当院初の時短勤務者として育休復帰しました。私はその制度を使った正社員第1号だったんです。子育て支援は手厚く、時短勤務が小学校入学までから、小学校3年生までに拡大されていきました。保育園にお迎えに行ったあと、お散歩しながら帰る日々を過ごせたこと、社員旅行に子供といっしょに参加して職場のみなさんと交流を深められたことなど、心にゆとりを持ちながら子育てできたことは、感謝と共にかけがえのない思い出です。

おかげで、仕事と家庭を両立でき、同時に研修などでスキルアップの機会もいただけて、看護師としても成長を続けられました。

何よりありがたかったのは、周囲の理解と「お互いさま」という風土です。その風土は今も変わらず、病棟師長の時もスタッフの子どもの急な発熱などで急に帰らなければならないときも、周りから「早くお迎えに行ってあげて」と、私が言葉に出す前にサッと業務を振り分けてフォローしてくれる優しさがあります。そうした思いやりに満ちた空気が根付いていると感じています。

子育て中のスタッフに限らず、誰かが体調を崩したときなども「お互いさま」という気持ちで、自然とフォローし合える環境があると思います。そこは荒木主任が今実感しているかもしれないですね。

荒木そうですね。今子育て中で時短制度を利用しているので、実感します。本当に同じ気持ちです。仕事と家庭のプライベートの両立は大切ですよね。私自身やっぱり家庭で子どもと一緒に過ごす時間が一番好きですが、だからといって仕事を妥協したくはない。どちらかを中途半端にしてしまうと、すごくモヤモヤしてしまうんですよね。

河室気持ちの切り替えが難しいですよね。

荒木そうなんです。仕事が曖昧なまま終わってしまうと、そのモヤモヤを家に持ち帰ってしまって、結局家でも落ち着かない。そうなると、子どもにイライラしてしまうこともあって…。だから私にとっては、仕事も家庭もどちらもちゃんとやりきった、という達成感を持つことがすごく大事なんです。

河室仕事も家庭も大切にしているからこそですね。今は時短勤務を活用されてどうですか?

荒木河室師長が産後復帰への道をつないでいただいたおかげで、今では「時短勤務」が自然に受け入れてもらえる環境になっていて、本当にありがたいです。子どもが急に熱を出したときも、上司に報告すると「気をつけてね」と本当に優しい言葉をかけていただけて。仲間が自然にフォローしてくれるんです。本当に恵まれていると思います。

河室地域連携部には、お互いのことを思いやる「優しさ」や「あたたかさ」があると感じます。

荒木はい。そのおかげで、私も「次はちゃんとやろう」って思えるんです。急なお休みがあっても周りが困らないように、面談の記録を残したり、引き継ぎの指示を細かく書いておくようにしています。「迷惑をかけないようにしよう」という気持ちが自分の成長につながっている感じがします。

―ご自身にとってのウェルビーイングな状態とは?またそれを実現するために実行していることはありますか?

荒木健康で心が満たされていて、自然に笑顔で過ごせていることですかね。それが私にとっての「満たされた状態」です。仕事も家庭もやりきって、無理のない笑顔でいられる毎日が理想ですね。

河室気持ちにゆとりがないと、仕事と両立するのは難しいですよね。仕事は仕事として割り切るところもあると思いますが、やっぱり私生活が充実していることが一番大切だと思います。

荒木師長のウェルビーイングに繋がることは何ですか?

河室家族と過ごす時間ですね。仕事の比重が大きくなりがちですが、家に帰ったときの何気ない会話やたわいもない時間をとても大切に感じています。

荒木:私も家族との時間です。後はとにかく寝ること。睡眠大事ですね。

河室私生活と仕事のバランスをちゃんと取ることが大事ですよね。働く中でストレスは避けられないので、それをプライベートでちゃんと解消できているか、私生活が充実しているかっていうのは、仕事のパフォーマンスにも直結するかと思います。

―患者さんのより良いこれからのために大切にしていることは何ですか?

荒木: 私たちは退院支援に携わる立場なので、患者さんの生活環境によって、必要な支援の内容は本当にさまざまなんです。たとえば、寝たきりで点滴や人工呼吸器が必要な方でも、自宅で生活されている方もいますし、「今まで通りの生活ができないと在宅は難しい」と考える方もいらっしゃいます。経済的な面でも、「いくらかかってもいいから」というご家庭もあれば、「これ以上は負担できない」と限界を感じているご家庭もあります。

だからこそ、退院支援においては、「どんな生活を送りたいか」「どんなふうに過ごしていきたいか」という、その人それぞれの想いを大切にしたいと思っています。できる限りその希望に近づけるために、私たちにできる支援は何かを一つひとつ考えていきます。私は退院後の生活に直接関わることはできないけれど、その方が希望する暮らしを実現できるように、必要な人や機関としっかりつなぐこと。それが自分の果たすべき役割だと感じています。

河室主任のお話にもあったように、選択肢がちゃんとある中で、自分の人生に関わる大事なことを、自分で選んでいけるようにする。その選択を支え、必要な場所につなげるのが、私たちの役割だと感じています。

地域連携室って、まさに“つなぐ部署”だと思います。病院の中と外をつなぐだけでなく、院内のスタッフ同士をつなぐ役割も担っています。患者さんの思いをしっかり受けとめて、それをそのまま外部施設や関係機関にきちんと伝え、橋渡ししていく。それがとても大事なことだと感じていますね。

―まさに、こころざし「病気だけでなく、本気で、人間と向き合う。」につながっていますね。

河室本当に病院という場所は、さまざまな専門職が集まるチームです。だからこそ、それぞれの専門性を活かすためには、「お互いの理解」が大切だと感じています。職種ごとに見えてくる視点や意見があるし、それをしっかり聞き合いながら、患者さんにとって「一番いい方向」に進めるように調整していくことが、私たちの役割だと思います。当院のこころざしを胸に、中部医療圏のハブ病院として、地域の医療ニーズに応え、これからも地域の皆さまに貢献していきたいと考えています。

荒木:ただ退院するだけでは意味がなくて、障がいや病気、身体の状態で今まで通りとはいかなくても患者さんや家族が大切に思うことに寄り添い、退院後も自分らしく満たされた生活を送ることが出来るように多職種多機関と連携を取り、必要なパイプをつなげていきたいです。何が大切かは人それぞれで、患者さんやその家族が安心して生活ができるように支援していきたいと思っています。

※1「ハブ病院」とは、交通の「ハブ(中心地)」のように、地域医療の中心となる病院のことです。近くの病院やクリニックと連携し、患者さんを受け入れたり、治療が落ち着いたあとは元の病院に戻ってもらったりする役割を担っています。

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