大分中村病院トピックス

第６８回大分中村病院　職員講習会
医療従事者のためのアンガーマネジメント：『怒り』への対応法

８月１日（木）６階研修室にて、第６８回大分中村病院職員講習会を開催。講師に大瀬克広先生（社会医療法人聖医会サザン・リージョン病院　麻酔科・緩和ケア病棟長）をお招きし、「医療従事者のためのアンガーマネジメント：『怒り』への対応法」を講演して頂き、約１００名の職員が参加しました。

当院でも患者さんやご家族の不安や悲しみ、喜びなどの感情と向き合う場面があり、その中でも「怒り」の感情にはしばしば対応に困ることがあります。一方で、他人の「怒り」に対応する以前に、自分自身の「怒り」の感情については、意外にきちんと理解や対応が出来ていないのも事実です。今回の講演では、患者さんや家族からの怒りをどうするかではなく、自分自身の「イライラや怒り」へ対応できるようになるために、ひいては怒りを示してくる人に対してどのような対応をすれば良いかを理解するために、大瀬先生よりアンガーマネジメントの方法を学びました。
『アンガーマネジメント』とは、怒ることを否定するのではなく、アンガー（怒り）をマネジメント（うまく配分）することで、むやみに怒ったり、必要以上に怒ったりするのをやめましょうという考え方であり、科学的な技術です。アンカーマネジメントは1970年代にアメリカで発祥して、日本でも２年程前からビジネスやスポーツ、医療、教育の現場で注目を浴びるようになっています。
大瀬先生は問題となる怒りとして「頻度が高い」「強度が強い」「持続する」「攻撃性をもつ」の４つの怒りを挙げ、「こういった種類の怒りは、人間関係や信頼、仕事、お金など色々失う原因にもなり得ます。無駄な怒りや不必要な怒りをいかに抑えるかが、自分自身の健康にとっても、また組織や家庭にとっても大事です。」と話しました。また、怒りの対処法として、アンガーログ（自分の怒りのパターンを把握するための記録）、スケールテクニック（自分の怒りを数値化して評価する）、コーピングマントラ（怒りを感じた時に特定の言葉で気分を落ち着かせる）などを紹介しました。
今回受講した職員は、自分自身の心の中にある「イライラや怒り」に向き合える良い機会になったのではないでしょうか。また、学んだ対処法を普段から実行することで、職場環境や患者さんの療養環境にも良い影響を与えられるようになればと思います。

（制作室）

2013年08月07日（水） No.786 (勉強会・セミナー等::職員講習会)

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