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日本超音波検査学会ＪＳＳ九州第14回地方会／大分県大分市／2012.2.19
長期経過観察で超音波検査が有用であったＳＭＡ解離症の３症例
１）臨床検査部 ２）外科
○前嶋敦１）、立花幸人２）、船田幸宏２）、平子洋子１）
【はじめに】当院緊急外来において、急性腹症にてＣＴ、超音波検査により、偽腔が血栓により閉塞されて内膜のフラップの動きがほとんど見られない、血栓閉塞型の上腸間膜動脈解離症（以下ＳＭＡ解離症）と診断され、１年以上の経過観察をした３症例を経験したので報告する。
【方法】装置は、ＧＥ横河メディカル社製LOGIQ7、探触子は3.5C、中心周波数は4MHz。10L、中心周波数は8MHzを使用した。
【症例１】54歳男性 平成16年2月25日夕方、うどん摂取後より胃部痛出現。超音波検査にて、SMAの解離による狭窄を認め、腹部大動脈とSMAの分岐部より3.5�僂龍杭�率を経時的に計測した。
【症例２】53歳男性 平成16年11月20日、辛子レンコンを1本食べ、その夜から上腹部の違和感を自覚。翌日、突然強い腹痛が出現し、上腸間膜動脈閉塞症を疑われ当院へ紹介となった。超音波検査にて、SMAの解離による狭窄を認め、腹部大動脈とSMAの分岐部より3.5�僂龍杭�率を経時的に計測した。
【症例３】53歳男性 平成16年11月20日、辛子レンコンを１本食べ、その夜から上腹部の違和感を自覚。翌日、突然強い腹痛が出現し、上腸間膜動脈閉塞症を疑われ当院へ紹介となった。超音波検査にて、SMA解離による狭窄を認め、腹部大動脈とSMA分岐部より5�僂龍杭�率を経時的に計測した。
【結語】今回、上腸間膜動脈解離症の3症例の経時的変化を超音波で観察した結果、3症例共に一般的な治療薬の投与のみの経過観察であったが、SMAの解離による狭窄率が小さくなり、SMAの直径も縮小傾向を認めた。また、症例１においては空腸動脈の狭窄と腸間膜の肥厚の改善も認めた。いくつかの文献でも早期診断には検査の簡便性、診断能の点で超音波検査の有用性が高く、正確な血流状態を評価できることにより、腸管虚血などの合併症に対する対処も可能である、と報告されている。以上より我々は、超音波検査がSMA解離症の経過観察に有用であると考える。
2012年03月13日（火）
No.706
(学術活動::抄録)
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