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第69回日本臨床外科学会総会／神奈川県横浜市／2007.11.29
幽門輪温存胃切除術に対する小開腹術の有用性
大分中村病院1）、大分県厚生連鶴見病院2）、大分大学医学部消化管外科3）
○木村靖彦1)、久保宣博2）、船田幸宏1）、立花幸人1）、内田雄三1）、野口琢矢2）、野口剛3）
【目的】近年、早期胃癌に対する腹腔鏡下手術が急速に普及してきている。我々はこれに準ずる低侵襲手術として、小開腹下幽門輪温存胃切除術を行い、良好な成績を得ているので、その術式を含めて報告する。
【方法】小開腹下術は、上腹部正中に約５-７�僂糧蘋擇鮃圓ぁ⊇祥茲�ら行われている胃切除術の手順と同様に胃大彎側、小彎側の処理を行ったのち腹腔内にて吻合を行う方法である。小開腹下術の選択条件は患者の体格（肥満度）、支持組織の伸展性等を参考にしている。過去５年間に行った幽門輪温存胃切除術53例を対象に出血量、手術時間、術後在院期間、合併症について検討を行った。
【成績】平均年令は68.5歳。男性35例、女性18例であった。平均出血量129.1ml、平均手術時間125.3分、平均術後在院期間10.8日であった。術後合併症は認められなかった。
【結論】近年、腹部領域における内視鏡外科手術は増加傾向にあり、特に、早期胃癌に対する腹腔鏡下手術が急速に普及してきている。鏡視下での吻合術（器械吻合）も近年進歩がみられるが、鏡視下手術においても依然として、小開腹を追加し腹腔鏡補助下再建法が行われている。今回我々は2002年より小開腹下幽門輪温存胃切除を行い、良好な結果を得たので、その手術術式を含めて報告した。小開腹術は低侵襲手術として有用な手術術式であり、特に高齢者や重度合併症のある症例に対しては積極的に本法を用いるべきと考える。
2007年12月17日（月）
No.481
(学術活動::抄録)
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