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第82回長崎形成外科懇話会 抄録


第82回長崎形成外科懇話会/福岡県福岡市/2006.12.2


手指に人工真皮を用いた102例の検討

大分中村病院 形成外科  亀渕克彦、池野屋慎太郎、三枡律子

 手指における外傷や腫瘍切除後の皮膚欠損、ならびに難治性潰瘍などに対して、我々は人工真皮を用いた治療を行っている。今回その治療成績を調査し、不良例に対する検討を行った。2001年1月より2005年9月までに、手指に人工真皮を用いて治療を行った102例127指を対象とした。年令は平均41.7才(5才〜80才)、性別は男性73例、女性29例、平均経過観察期間は6.6ヶ月であった。症例のうちわけは、新鮮外傷89例、腫瘍7例、難治性潰瘍2例、外傷後爪変形、熱傷、高圧注入創、皮弁採取部が各1例であった。治療成績は変形、疼痛がなく以前と変わらず手指を使用しているものを優、変形は軽度であるが疼痛もなく手指を使用しているものを良、軽度の変形、疼痛はあるものの日常生活において問題なく手指を使用できているものを可、変形や疼痛のため手指を使用できていないものや、再手術を行ったものを不可とした。結果は、優29指(22.8%)、良54指(42.5%)、可24指(18.9%)、不可20指(15.7%)であった。不可は、挫滅が強い症例や難治性潰瘍等、血行が不良で、良好な肉芽再生を認めないことが多く、人工真皮の再使用、皮弁形成、断端形成を余儀なくされた。また挫滅が強いためか、神経や骨の断端の影響のあるものも認めた。人工真皮による治療は、手技も簡便で侵襲も少なく、可以上が今回の調査でも84.3%であり、有用であると思われた。不可であった症例から、その適応には慎重であるべきであり、移植床の血流状態、断端部の骨や神経の処置もその後の結果に影響すると思われた。
2006年12月05日(火) No.401 (学術活動::抄録)

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