第20回大分県社会福祉協議会長杯卓球大会(県内外より障害の有無に関係なく、約150名の方が参加)が、大分県身体障害者福祉センターにて開催され、当院からは患者さま10名(外来9名、入院1名)、スタッフ5名の15名が出場しました。
患者さまの多くは卓球経験が浅く、数ヶ月前より1週間に1回のペースで練習を重ねてきました。大会当日は、「出るからには勝ちたい」「リハビリの一環としてやろう!」「良いところを見せるぞ!」など様々な目標や意気込みを持ちながら、本番に臨みました。
結果は、3名の患者さまと2名のスタッフが予選を勝ち抜き、決勝トーナメントに進みました。みなさん、大会前は「負けたら恥ずかしい」「私が参加したら、皆の足を引っ張るのではないか」「卓球やったことないしなぁ」など消極的な気持ちを抱いていましたが、試合が始まると「練習どおり、身体が動くぞ」、「打ち返せたが、次が続かないなぁ」、「あれ、サーブが思うようにいかないぞ」、「どうにか1セット取れたぞ」など、練習を通して蓄えた力を、喜びや楽しさへと変えていきました。
今大会は患者さま一人ひとりが様々な目的で参加しました。リハビリテーションの過程でスポーツと関わることで、患者さまが自身の殻に閉じこもることなく、新しいことに挑戦する姿勢や機会となり、家族やスタッフの目に見えない思いが、彼らの不安を自信へと変えるきっかけになります。
今後もスポーツを一つの掛け橋に、人と人を結ぶ目に見えない糸を、やわらかく、しなやかなものにしていくことを心がけていければと思います。(記事:リハビリテーション部リハビリテーション体育室/室長 齊藤健夫)