入院生活の疑問と不安
中村さんの入院生活も4日目。少しずつ病院の環境には慣れてきましたが、手術後やリハビリ、退院後の生活がどうなるのか、まだまだ不安が残っています。特にいつ頃退院できるのか、何ができたら良いのかイメージできず、娘も同じく先行きに不安を感じています。
病院の生活にも少しずつ慣れてきたが、退院までに何をしていけばいいんだろうな。その後のことがさっぱり分からんし、いつ退院できるのか。

お父さん、私も同じだよ。退院までに何か準備しておかないといけないのかな…。

そんな時、担当の看護師が病室を訪れ、中村さんと娘に声をかけます。
看護師の登場

中村さん、退院までの不安はよく分かります。これからはリハビリやご自宅での生活に向けた準備を進めていく必要があるので、一緒にクリアしていきましょうね。
早く自宅に戻っていつも通りの生活をしたいのだが…。まずはどんなことをするのか?


これから順を追って説明していきますね。
リハビリ開始


まず、退院に向けて必要なのはリハビリです。ADL(基本的な日常生活動作)とIADL(より複雑な日常生活動作)の向上が重要なんですよ。中村さんの場合、手術後の回復を支えるために、基本動作や食事、更衣、入浴、歩行といった日常の動作を少しずつ練習していきます。
そうか、食事やトイレだけじゃなく、歩いたりもするのか。意外とやることが多いんだな。


まずは床上動作、寝返りや起き上がり、立ち上がることから始めて、その後に食事や排泄、入浴などの基本的な日常動作を行います。そして、階段の上り下りや家事、買い物など、退院後に必要な複雑な動作も練習していくんです。
買い物もするのか。じゃあ、買い物ができるようになったら、もう家に帰れるんだな?


中村さん、それだけじゃないんです。中村さんが安全にご自宅で生活できるか、他にも確認すべきポイントがあるんですよ。例えば、ご自宅の環境が中村さんの回復に適しているかどうかも重要なポイントです。
そうか、家のことも関係してくるんだな。具体的にはどんなことを確認するんだ?

退院の方向性を決める


まずは必要な福祉用具の選定を行います。必要に応じて実際に患者さんのご自宅に伺い、環境確認や調整を行う場合もあります。それから、家族面談でご家族との連携や、中村さんの退院後の生活を話し合い、最適な介護サービスを提案します。
え、そんなに準備が必要なんですか? 家を改修するなんて、すぐには難しいんじゃ…。


ご安心ください。退院までに時間はありますし、福祉用具のレンタルなどでサポートできる部分も多いですよ。ご家族全員の生活を調整しながら、中村さんが快適に過ごせる環境を整えていきます。
退院前の最終確認

なるほど、少しずつやっていけば大丈夫そうだな。でも、まだ少し不安が残るな。


大丈夫です、退院の前には最終確認として、退院前カンファレンスを開きます。リハビリスタッフや医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、関わるスタッフが全員で確認作業を行います。

チーム全員でサポートしてくれるなんて心強いなぁ。ここまで来たらお父さんも安心して家に帰れるね!

まとめ
退院に向けた準備は、患者さん本人だけでなく、その家族にとっても大きな課題となります。手術後やリハビリを経て、どのようなサポートが必要か、どのステップを踏めば自宅での生活をスムーズに再開できるのかを理解することが大切です。この記事で紹介したチェックポイントやプロセスは、多くの患者さんや家族が直面する課題を乗り越えるための指針となるでしょう。
退院はゴールではなく、新たな生活のスタートです。医療スタッフやケアチームと連携し、安心して自宅での生活を送れるよう、しっかりと準備を整えていくことが重要です。入院時の不安なことは、当院の病棟スタッフにお気軽にご相談ください。