OITA NAKAMURA HOSPITAL

Mini[ ミニ記事 ]

あたりまえの中に見つけたウェルビーイング

大分中村病院のスタッフに聞いた!「あたりまえの中に見つけたウェルビーイング」vol.01

病院は、病気を治すだけの場所ではありません。患者さんやご家族が、少しでも安心して過ごせる時間、すなわち「ウェルビーイング(満たされた状態)」を提供することも、私たち病院職員の大切な使命です。本企画では、現場で働く職員たちが、日々の業務の中でどのような思いを持って患者さんと向き合っているのかにスポットを当てます。

今回は、職員一人ひとりに、日々大切にしていることや、その背景にある経験について話を聞きました。お聞きしたのは、次の3つの視点です。

  • Q1. 日常の心がけ(不安を和らげるために意識している言葉かけや、雰囲気づくりについて)
  • Q2. きっかけとなるエピソード(その価値観を大切にするようになった、印象に残っている経験)
  • Q3. 私のキーワード(想いを「ひとこと」で表すとしたら)

記念すべきシリーズ第1回となる今回は、職種の異なる3名の職員が登場します。それぞれの「フリップ」に書かれた言葉と、その奥にあるストーリーにぜひ触れてみてください。


作業療法士 Hさんの場合

わかる言葉で、まっすぐに向き合う

1. 心掛けていること

入院中の患者さんやご家族は、患者さんの状態が見えない分、不安を抱えやすいと感じています。そのため、今どのような状態なのか、つらさや痛みはどうかといったことを、できるだけ素直に伝えるようにしています。また、専門用語は使わず、日常の言葉に置き換えて説明することも大切にしています。

2. そう思ったきっかけ

患者さんは、けがや病気が初めてという方も多く、今後どう回復していくのか分からないまま過ごしています。専門用語で説明しても伝わらない場面があり、「荷重」ではなく「体重のかけ方」と言い換えるなど、理解しやすい言葉を選ぶ必要性を日々感じてきました。そうした説明を重ねることで、患者さんやご家族が状況を整理しやすくなり、不安を少しでも減らせると考えるようになりました。

3. 「礼儀」を選んだ理由

「礼儀」は、関係に慣れても気を緩めず、一人の人として向き合い続けたいという自分への戒めでもあります。


作業療法士 Kさんの場合

関係づくりから、リハビリは始まる

1. 心掛けていること

患者さんの表情や声のトーンを見ながら、まずはその日の様子を感じ取ることを大切にしています。元気がないと感じても、無理に理由を聞き出すことはしません。目線を合わせ、相槌を打ちながら話を聞き、どんな言葉も否定せずに受け止める。カルテや直前の出来事も踏まえ、その方に合った距離感で関わるよう意識しています。

2. そう思ったきっかけ

これまで当たり前だった生活が突然変わり、回復を実感できずに落ち込む患者さんと関わった経験があります。医療者側では変化が見えていても、患者さん自身は気づけないことがありました。そこで「昨日よりここができるようになりました」と、生活の中で実感できる言葉で伝えると、少しずつ前向きな言葉が増えていきました。

3. 「ラポール形成 ※」を選んだ理由

リハビリは、信頼関係があってこそ成り立つものだと感じています。「ラポール形成」は、治療の前に欠かせない土台であり、その後の関わりすべてにつながる大切な考え方だと思っています。

※ラポール形成:医療の現場において、患者さんと医療者がお互いを信頼し合う関係を築くことを指します。言葉の由来には「架け橋」という意味があり、治療を進めるうえで欠かせない、親密で安心できる関係性を表しています。


医師事務作業補助 Kさんの場合

表情と声に、想いを込めて

1. 心掛けていること

患者さんやご家族と接するときは、きちんと顔を見て、できるだけ柔らかい表情と声になるよう意識しています。マスクをしている分、目の印象が冷たくならないようにも気を配り、笑顔で声をかけることを大切にしています。自分だけで抱え込まず、担当の看護師さんに相談しながら関わるようにしています。

2. そう思ったきっかけ

自分が誰かに話しかけたとき、「この方の対応は素敵だな」と感じた経験があり、その姿勢を自然と真似するようになりました。また、患者さんやご家族から「ありがとう」と声をかけてもらうたびに、もっときちんと向き合いたいという気持ちが強くなっていきました。

3. 「感謝」を選んだ理由

「感謝」という言葉には、仲間に恵まれ、支えられながら仕事を続けられていることへの想いが込められています。そして、患者さんやご家族からもらう「ありがとう」の一言に、日々感謝している気持ちを表しています。


「あたりまえの中に見つけたウェルビーイング」シリーズでは、現場で奮闘する職員の素顔に迫ります。 Vol.2では、今回とはまた違った職種のスタッフが登場予定です。

普段、診療やケアの場面では見ることのできない、職員の「胸の内」にある熱い想い。 日々の業務の中にあるそれぞれの物語に触れることで、病院という場所がもっと身近で、温かい場所に感じていただけるとうれしいです。

「次は、どんな『  』に出会えるでしょうか?」

次回の更新も、どうぞあたたかい気持ちでお待ちください。

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