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シーティングセミナーを開催して


11月24日(木)当院6階研修室において、NPO法人 シーティングコンサルタント協会理事長の木之瀬 隆氏を招いてシーティング(座位保持)セミナーを開催しました。
テーマは「褥瘡予防につながる車椅子シーティング」で60名を超える多くの方に参加いただきました。参加者には医師、事務長、看護師長、看護師、薬剤師、臨床検査技師、ソーシャルワーカー、リハスタッフ等様々な方が参加されシーティングに関しての意識の高さを感じました。
近年、福祉用具(車椅子など)の不適切な使用による姿勢の変形や関節拘縮、褥瘡などの二次障害の発生が問題視されています。利用者に合わせた福祉用具の選定、シーティングの正しい知識や技術の導入があらゆる医療機関や介護保険分野(施設)での急務となっています。そこで今回、受講者に全く調整をしていない車椅子(不適合車椅子)に座り講義を受けてもらいました。開始後20〜30分でお尻や腰や足、背中などの痛み、違和感がでてきました。不適切な車椅子座位を体験することで日々患者様が感じて声に出せないことを身をもって経験できたのではないかと思います。
褥瘡の好発部位である、仙骨部、坐骨結節部、踵部は臥位(寝ている姿勢)や座位時に圧が集中しやすい為、如何に圧を分散させるかが重要となります。講義の前半では、シーティングを解剖・生理学・運動学を交えて解説しながらシーティングの評価方法やポイントの話がありました。圧が検知できる測定機械を使い参加者の殿部圧の測定を実施し、数値化し危険度が視覚的に分かり易く各種コメディカルや特に家族・患者様も理解しやすいのではないかと思いました。アセスメントした後に、株式会社フロンティアの精鋭スタッフの方々が対象者の身体寸法に合わせて車椅子の調整を行い、座面、フットレスト、アームサポートの高さ、バックサポートの張り調整、車椅子クッションの選定などの様々な調整を数分で行い、集中していた圧を分散させることができていました。自分に合った車椅子に乗ることで痛みが軽減し自然と対象者の方から笑顔が見られました。
講義後半では症例報告という形で、現在治療中の回復期リハビリテーション病棟の患者様のポジショニングやシーティングの取り組みの話を担当作業療法士から行い事例検討を行いました。アームサポートの検討等幾つかアドバイスを頂きました。全体を通して現在の取り組みに対し高い評価を頂きました。
今年8月より回復期リハビリテーション病棟を中心として調整可能な車椅子、車椅子クッションなどを院内レンタルして患者様に提供しています。食事姿勢や食事動作、車椅子駆動の改善や褥瘡予防に効果が認められています。講義の最後には、今後の医療においてシーティングは、ADL向上だけでなくQOL向上にも視野を広げることが重要であり、それが地域包括システムのシーティングに繋がるという言葉がありました。まさに治す医療から支える医療の一つの取り組みとしてシーティングは今後、更に重要になると再認識しました。
今回のセミナーのアンケート集計では、理解しやすかった98%、職場で活かせそう86%、次回も参加したい95%と高評価を頂きました。更に、「患者様に今まできつい姿勢を取らせていたことが分かった」「具体的な事例の話がわかりやすかった」次回は、「シーティングの具体的な評価ポイント、注意点、調整実技が聞きたい」「摂食嚥下に関するシーティングが聞きたい」「症例検討がしたい」など多くの意見を聞くことができました。このような声を形にできるよう、今後も定期的なポジショニング・シーティングの勉強会を企画していこうと考えています。


(リハビリテーション部 浅倉)



2016年12月21日(水) No.980 (院長コラム)

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