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がん化学療法・緩和ケア小勉強会が開催されました


当院6階研修室で9月29日(木)「がん化学療法・緩和ケア小勉強会」が開催されました。この小勉強会は、院内のスタッフを対象に外科部長の麓祥一医師が定期的に行っているもので、医師、看護師、薬剤師、栄養士などが参加しました。
当院では、従来の救急医療に加え、最先端のがん治療とそのケアをチーム一丸となって行っており、今回の小勉強会開催もその一環です。


講演する梅野理学療法士
今回の小勉強会では先ず大鵬薬品工業株式会社の下西浩之さんから「吐き気を抑える制吐剤」についてのお話しがありました。その中で「吐き気とは、吐くまでに至らない気持ちの悪い状態」であることや、抗がん剤の副作用でも吐き気が起こりうること、吐き気を抑える治療も日々進歩していることなどのお話しがありました。そのうえで、「吐き気が続く状態は、患者さんにとってとても辛いことですが、周囲には過小評価されがちです。病院スタッフには、ぜひ積極的に患者さんに声掛けして悩みや負担をやわらげてもらいたいです」と話していました。
続いて理学療法室課長の梅野裕昭理学療法士が、チームを立ち上げて1年3か月が経過した当院の「がんリハビリテーション」について講演しました。冒頭、「がん医療の考え方」として、治療だけ行うというのではなく、リハビリや栄養管理、そして社会支援などを一体的に患者さんに提供する「チーム医療の重要性」に関する説明がありました。そして、がんのリハビリテーションには、予防的、回復的、維持的、緩和的の大きく4つの段階に分けることができること、安静臥床や不活動状態が長期続くことによってもたらさえる、筋力低下や拘縮などの「廃用症候群」などについても説明がありました。この中で、長期臥床の弊害として心肺機能の低下をもたらす他、筋肉は落ちるのは早いが回復には時間がかかることなどを、実際の臨床データをもとに示していきました。その上で、術前の早期から積極的に介入することで術後の早期離床が可能になったケースなども紹介されました。
会場から「他のリハビリと違って“がんリハ”ならではという点はありますか」という質問に対して、梅野理学療法士は「化学療法前後の有害事象は気にするようにしています。また、採血データの確認は、とても重要で常に行っています。例えば、血小板の数値が下がると出血を起こしやすくなるので、患者さんが能動的に動けるような配慮は欠かせません。そして何よりも、食事がとれているかが重要で、栄養がとれていない状態でリハビリを行っても逆効果になりかねません」など、医療現場における「チーム医療の重要性」の意義を改めて強調しました。
当院では、これからもがんの患者さまを支え、一人ひとりの患者さまそれぞれに応じたがん治療と緩和ケアが行えるよう整備をしてまいります。


(広報企画 村上)


2016年10月13日(木) No.967 (勉強会・セミナー等)

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