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第43回がん化学療法・緩和ケア小勉強会を開催


6月30日(木)、当院6階研修室にて「第43回 がん化学療法・緩和ケア小勉強会」を開催しました。この勉強会は、がん患者さんに最新の医療を提供するために、麓医師が多種職スタッフの知識向上を目的に行っている定期的な勉強会です。


麓医師

会場の様子
今回は、バイエル薬品株式会社から志田誠さんから、「大腸がん」の疫学・診断・治療などに関する基本的知識、そして、最近の分子標的薬剤の特徴、副作用およびその対策などについて説明がありました。大腸がんに対する分子標的薬剤は、ここ数年内にその種類がとても増えてきているということ、また、分子標的薬剤は従来の抗がん剤とは異なった副作用(高血圧、蛋白尿、重度の肝機能障害、手足症候群〔手足の皮膚がむける〕、創傷治癒遅延〔傷が治りにくい〕、出血など)があるため、それら副作用対策がとても大切であるといった説明がありました。
 麓医師からは、「消化器症状(嘔気・嘔吐)の評価と治療・ケア」というテーマで、実際の臨床例を挙げながら講義が行われました。「嘔気」とは、「吐きたくなるような切迫した不快な自覚症状であること」、「嘔吐」とは、「消化管内容物を反射的に口から出すこと」と定義されています。そのうえで一言に「嘔気・嘔吐」と言っても様々な要因があり、消化管運動低下(腸閉塞)、電解質異常、肝不全、腎不全、精神的要素、治療中の薬剤(抗がん剤や医療用麻薬)など、患者さんそれぞれに「嘔気・嘔吐」の要因があり、また、その要因は必ずしも一つとは限らず、複数の要因が重複していることもあります。麓医師は、「がん患者さんだからといって、がんそのものが嘔気・嘔吐の原因であるとすぐに結論付けるのではなく、原因となりうるあらゆる可能性を考慮しながら、診断・治療にあたることが大切です。また、医師のみでそれら要因(情報)を全て把握することは難しく、各スタッフが気付いた事をスタッフ間で情報共有し、一人ひとりの患者さんに最適な治療を提供できるような体制作り(チーム医療)がとても大切です」と話していました。
最後に麓医師は大腸がんの治療に使用される薬剤について「ここ10年における薬剤の進歩・開発は目覚ましく、治療効果はとても良くなってきています。一方で問題となる副作用の報告もあります。大切なことは、それら新しい薬剤の効果と副作用、その対策法を『十分理解』した上で、『積極的な治療』を行うことで質の高いがん治療を行うことが可能になります。今後ますます当院のチーム医療を充実させ、患者さんにとって心から満足して頂けるような医療を提供していけるよう努力していきましょう」と締めくくりました。

 当院では、これからもがんの患者さまを支え、それぞれの患者さまに応じたがん治療と緩和ケアが行えるよう整備をしてまいります。その一環として、「がん患者・家族のためのがんサロン『太陽のカフェ フィーカ』を奇数月の第3土曜日に開催します。今月は7月16日(土)午後1時から3時までです。ぜひお気軽にお越しください。

(広報企画 村上)



2016年07月14日(木) No.952 (勉強会・セミナー等)

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