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熊本地震における災害支援活動に参加して/藤尾 素子(救急看護認定看護師)、竜田 啓(手術室看護師)


日本看護協会より熊本地震における災害支援活動として、大分県にも災害支援ナースの派遣要請があり、登録施設である当院から、看護師2名が4月29日から5月2日の4日間、阿蘇市農業環境改善センター避難所で活動しました。


竜田啓看護師(左)、藤尾素子看護師(右)

被害の様子

救護室

避難所

自衛隊が設営した仮設風呂

支援物資の段ボールに温かいメッセージ
午前9時に大分県看護協会に集合しオリエンテーションを受け荷物の確認後、早速派遣先に向かいました。すれ違う車両のほとんどが県外ナンバーの自衛隊災害支援車両で、被災地に到着する前から災害の甚大さを痛感し、身が引き締まる思いでした。車窓からの風景は、竹田を過ぎて熊本県内牧に入るころからガラリと様相が変わり、道路が陥没している所やアパートが傾斜している様子が目に飛び込み、改めて被害の甚大さを感じました。幸い阿蘇市までの道路は寸断されておらず、また渋滞もなく約2時間で無事到着しました。
到着後、最初に現地の責任者に挨拶し、前任の支援ナースからの申し送りがありました。私たちは現状把握、そして現時点の避難者のニーズを把握することに努めました。
 地震発生から約16日が経過し、ライフラインは復旧している状態でしたが、自宅に戻れない避難者が約50名もいました。高齢者がほとんどで皆さん自立されており食事・保清・排泄などの援助を必要とする方はいませんでした。私たちが派遣された避難所での主な活動は、被災者の心身の健康確認・バイタルサインの測定、慢性疾患を持つ被災者の把握・健康管理、環境衛生状態を把握し感染予防、エコノミークラス症候群予防に適応者を把握することでした。そして適応者には弾性ストッキングの装着指導の実施、物資の提供・管理、他職種との情報交換・連携を行いました。

私たちが最も気をつけたことは、こころのケアに重点を置くことです。いったんPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥ると、完治が困難なうえ、長期的な治療が必要になります。特に震災直後の急性期から亜急性期にかけPTSDに陥らないよう、献身的に被災者のこころのケアに取り組まなければなりません。今回の避難所にも急性ストレス障害の症状のある2組の親子がいました。そのうち1組の親子は、小学校5年生の男子児童で、自宅での生活は可能でしたが自宅の天井を見ると地震時の恐怖が蘇り自宅では寝られないと避難所生活を続けていました。私たち支援ナースにできることは、親身になって話に耳を傾けることが最善と考え、寄り添い関わりました。また保健師とも連携をとり、DPAT(災害派遣精神医療チーム)の介入を図りました。そして、継続的なフォローが必要であると診断され、引き続き見守ることにし、後任支援ナースへ申し送り継続ケアをお願いしました。

私たちの活動期間中、大分のJMAT(日本医師会災害医療チーム)や日本歯科医師会の医療チーム、宮崎からは柔道整体師の方など多くの支援者が被災地を訪れていました。柔道整体師の皆さんはマッサージをしたり、阿蘇温泉病院リハビリテーションのスタッフは毎日ラジオ体操を行ったり、熊本県警の警察官は被災者の相談に乗ったり、日田市から来たボランティアは温かい団子汁の炊き出しを行うなど、それぞれが自分たちのできるベストを尽くしていました。そして、特に印象に残っているのは自衛隊が設営した仮設風呂です。少しでも被災者の憩いの時間になるようにと、様々な配慮がなされ、多くの人たちの心身の疲れを癒してくれたことでしょう。

活動中も被災地では、多くの余震が続きました。今回の活動を通して仮に自分が住んでいる町が被災地になったら、どのような支援が実際に役立つのだろうかといった視点も学ぶことができました。支援活動を終えた今、被災者の方のために何ができたのか、もっとこうしたほうが良かったのではないかなど、考えるときりがありません。それでも被災者の誰かが「救護室に行くと24時間看護師がいてくれている」と感じ安心してくれていたとしたならば、嬉しく思います。

最後に、災害支援ナースとして活動させていただき、日本看護協会、大分県看護協会、当院所属長はじめ、すべての関係者の皆様に深く感謝致します。そして一日も早く熊本地震が終息し、被災地が日常に戻りますことを心からお祈り申し上げます。


2016年06月23日(木) No.950 (事業報告)

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