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年頭所感 / 理事長・院長 中村太郎


新年あけましておめでとうございます。

1964年11月に東京パラリンピックが開催されました。その当時、国立別府病院(現・別府医療センター)の整形外科部長であった中村裕は、日本選手団長を務めました。そのわずか11ヶ月後に「保護より機会を」を理念に別府市亀川に障がい者が働き、自立する場として社会福祉法人 太陽の家を創設しました。そして、さらにそのたった1年後の12月10日に大分中村病院は開設されました。それは65床の整形外科単科病院で、医師、看護師合わせて20人からのスタートでした。2015年1月現在では、ベッド数260床、19診療科で職員数524人の規模になっています。

昨年11月11日に大分中村病院は新病院設計の最終プロポーザルを行い、設計会社が久米設計に決まりました。今年10月5日は太陽の家の創立50周年であり、来年同じく当院は50年を迎えます。その時期を目標に府内町での新病院開設を準備してまいります。

新しい病院では次のようなサービスを展開したいと考えています。まずその『理念』として、現在の「医療による社会貢献」に「大分を元気で笑顔にする病院」を加えたいと思います。言い換えると「安心して暮らしていくための身近に感じられる病院、市民と伴走する病院、コミュニケーション日本一の病院」です。そのため、現在の救急•急性期医療を主体とした急性期病院単体に、保健と福祉を加え、保健、医療、福祉サービスを総合的に行う、ヘルスケアシステムに転換していきたいと思います。

第一の、保健の分野は「まだ患者でない市民のための保健センター」を創り、健診、啓発、教育、東洋医学、骨粗鬆症リエゾンサービス(医師、および多職種のメデイカルスタッフが相互に連携しながら実施する、骨粗鬆症の予防と改善および骨折防止の取り組み)などを行っていきます。

第二の医療の分野では、一つには、これまでの当院の主体であったER(救急医療)をさらに充実させ拡大します。加えて、世間はいまや高齢化社会を迎え、一人の患者さんがいくつもの病気をもっている時代になりましたので、診療体制を「総合診療」の観点から組み立てていきたいと考えています。

二つめは総合リハビリテーションです。私は太陽の家の理事長や、パラリンピックや大分国際車いすマラソンなど障がい者スポーツにも、30年にわたって従事しており、リハビリテーションを行い、社会復帰することをとても重要なことと考えています。これまで運動器(整形外科)と脳血管を主体のリハビリでしたが、心臓疾患、呼吸器疾患、および、がん患者さんのリハビリも行っていきたいと思います。

三つめは脊椎外科です。現在も脊椎外科はありますが、今後はERとは完全に切り離して、脊椎外科の診療に丁寧に時間をかけて専念できる環境にしていきます。

四つ目はがん治療センターです。「診断部門」、「治療部門」、「診療支援部門」の組織横断的連携による集学的治療により、早期がんに対する低侵襲治療から終末期医療、在宅医療支援までの一貫した質の高いがん医療を提供できる体制を整えてまいります。大学病院とも緊密な連携をとらせていただき、包括的ながん医療を提供できるようにしていきます。

第三は「福祉」です。病気•障がいを持って安心して暮らしていく人のサポートを行いたいと思います。街中の商店・飲食店等を活かしたデイサービス、高齢者•障がい者住宅の建設、往診、訪問看護、訪問リハビリ、配食サービスなどを行うとともに、太陽の家との連携も強化していきます。

「大分を元気で笑顔にする病院」「安心して暮らしていくための身近に感じられる病院」「市民と伴走する病院」「コミュニケーション日本一の病院」の観点からは、オーガニックマーケット、カフェ、本屋、病院祭、3×3バスケ、大学のサテライト設置、途上国への支援などを検討していきます。

MRIは今年1月から最新のものにバージョンアップしました。一方で電子カルテをはじめとする情報システムと、建物などハード面を同時に新しくするのは病院を運営する上で、非常に危険度が高いので、12月末までに現在の病院において、完全電子カルテ化を行い、十分になれてから新しい病院にシステムごと移設計画で進めます。新病院に向けて、職員への教育や研修、資格取得支援などの充実にも努めていきます。

病院が新しくなり「綺麗になった」だけでは何にもなりません。幼虫が少し大きくなったくらいでなく、幼虫がサナギになり、蝶になるほどの変化を当院はなしとげないとなりません。そのためには新病院が完成してからでなく、今からスタートすることが必要です。大分中村病院の職員であること自体が誇りとなるような病院を目指し、病院や施設の中で働く時を含めて、常に地域住民の一人としての意識を忘れずに行動できるような職員で構成される組織にしたい、その決意と信念を持って新年を迎えました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2015年01月01日(木) No.882 (院長コラム)

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