大分中村病院トピックス

広域医療搬送訓練に参加しました

平成26年8月30日（土）、南海トラフ巨大地震を想定し、大分県、宮崎県及び鹿児島県を被災地とした広域医療搬送訓練が内閣府主催で行われ、当院は院内での机上訓練（図面上でのシミュレーション）として参加しました。当院の設定は、地震により病棟が一部倒壊、ライフライン（電気・ガス・水）が充分に使えないという状況を想定したもので、中村理事長や渡邉副院長をはじめとする総勢11名で訓練に臨みました。

災害対策本部を立ち上げ、情報収集と病院機能の確認を行う

千葉県から派遣された応援DMAT隊と共に傷病者のトリアージ（病気やケガの緊急度や重症度を判定して治療や後方搬送の優先順位を決めること）を行う

先ず当院の防災マニュアルに従い病院長指示のもと災害対策本部が立ち上げられ、情報収集（院内の状況、患者、職員の被害状況）と病院機能の確認（医療機器の被害状況）が行われました。その情報をEMIS（広域災害医療情報システム）※に入力することにより大分県災害対策本部に「支援要請」を行う事ができ、DMAT（災害派遣医療チーム）※の投入がなされます。一方では倒壊の危険性がある病棟についての入院患者の避難指示と安全確保、外来部門においては多数傷病者の受け入れを行い自院で治療困難と判断された場合は「医療搬送」となります。災害時には通信基地局の倒壊や混乱により連絡手段が限られます。その際には衛星電話による通信により搬送依頼を要請することになります（実際に使用しました）。近隣の医療機関で対応できない場合は自衛隊機等により他県まで広域搬送する場合もあります。
今回の訓練では限られた医療資源のなか、千葉県から応援DMAT隊4名が入り、約80名の傷病者を受け入れ、そのうち1名が医療搬送ということになりました。訓練にはDMAT事務局からコントローラーが2名参加され様々な場面で助言や指示を頂きました。また当院の災害対策マニュアルを見直すよい機会となりました。実際の災害時に慌てることなく対応出来るよう日々の訓練が大事だと感じた大変意味のある1日でした。

※ＤＭＡＴ
「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており（平成13年度厚生科学特別研究「日本における災害時派遣医療チーム(DMAT)の標準化に関する研究」報告書より）災害派遣医療チーム　Disaster Medical Assistance Team　の頭文字をとって略してDMAT（ディーマット）と呼ばれています。医師、看護師、業務調整員（医師・看護師以外の医療職及び事務職員）で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期（おおむね48時間以内）に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。（日本DMATホームページより抜粋）

※ＥＭＩＳ（広域災害医療情報システム）
Emergency Medical Information Systemの頭文字をとって略してEMIS（イーミス）。災害時に被災した都道府県を越えて医療機関の稼動状況など災害医療に関わる情報を共有し、被災地域での迅速且つ適切な医療・救護に関わる各種情報を集約・提供することを目的としている。（日本DMATホームページより抜粋）

(医療支援部長代理　髙宮秀朝)

2014年09月10日（水） No.848 (イベント・行事)

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