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第24回日本臨床微生物学会総会／神奈川県横浜市／2013.2.2-3
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）の検出状況とMRSA菌血症の検討
臨床検査部1）、内科2）
○小野田 靖春1）、那須 勝2）
【目的】MRSA菌血症例に検討を加え、感染予防対策の資料を得ること。
【方法】本院は、市内の中心街に位置する260床の二次救急病院である。2006年4月から2012年3月までの6年間における入院患者からのMRSA分離推移およびMRSA菌血症例に検討を加えた。検査室での分離菌に基づいて検討し、菌血症例はカルテを参照し、基礎疾患、炎症所見、血清タンパク質、アルブミンなどの生化学所見、使用抗菌薬、転帰などを検討した。
【結果】6年間におけるMRSAの新規分離例は、0例から16例/月、他院からの紹介入院例が多かった。血液分離陽性例826件のうちMRSAは2.5％を占めた。MRSA菌血症17例は、基礎疾患（がん5、慢性腎臓病（腎不全）3、肺気腫3、脳梗塞2、糖尿病1、その他3）があり、60％は誤嚥性肺炎を併発していた。軽快・退院した5例（平均年齢75）は、血清総蛋白平均6.5g/dl、アルブミン2.0g/dl、12例（平均年齢77）は菌検出後平均12日後に死亡し、血清総蛋白平均5.6g/dl（p＜0.01）、アルブミン1.6g/dlと低値であった。バンコマイシン耐性MRSAは検出されなかった。
【考察】抗MRSA薬の普及により、MRSA感染症の治療と予後は改善されてきたが、MRSA菌血症はなお重篤な感染症であり、感染予防対策上、低蛋白血症は予後を左右する留意すべき重要な因子である。
（共同研究者：上木正成、平子洋子、葦原義典、渡邉 充、中石 徹、麻生宣子、吉田光朗、松山 誠、福永頼子、新垣淑辰、石田健朗）
2013年02月13日（水）
No.765
(学術活動::抄録)
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