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第30回大分県病院学会 抄録


第30回大分県病院学会/大分県別府市/2012.11.11

一般演題口演【治療1:急性期】
Flail chestに対してNPPVが有効だった1例

臨床工学部
○宮本 友哉

【はじめに】
Flail chestに対するLevel1のエビデンスレベルを持つ治療方針は認められていない。治療に関しては合併する肺挫傷による低酸素療血症への治療を十分に行うことが重要だと考えられる。今回、血気胸およびFlail chestを伴う胸部外傷症例に対し、NPPV+胸腔ドレーン、肺理学療法による呼吸管理を施行することにより酸素化能が改善し、気管挿管を回避できた症例を経験したので報告する。
【症例】
59歳、男性。軽自動車運転中に交差点で普通自動車と正面衝突し受傷した。診断は両側多発肋骨骨折、Flail chest、左血気胸、両側肺挫傷であり、疼痛コントロール、胸腔ドレーン、酸素療法にて呼吸管理を施行した。入院時のP/Fratioは211.0mmHgだったが、第2病日に無気肺によりP/Fratioが188.5mmHgに低下したためn-CPAPにて呼吸管理を行った。n-CPAP装着後から呼吸状態は改善し、第8病日にはP/Fratioは344.5mmHgとなり第12病日にはn-CPAP離脱となった。
【考察】
胸部外傷に伴う急性呼吸不全の主な原因は疼痛と肺挫傷が多い。疼痛による呼吸および喀痰の抑制が合併症を招くとともに病態を悪化させると考えられる。今回NPPVの導入と十分な鎮痛、積極的な体位ドレナージと肺理学療法が無気肺の予防、肺挫傷による低酸素血症など合併症の治療を十分に行え、予後の改善につながったと考えられる。
【結語】
Flail chestと合併する低酸素血症に対して十分な鎮痛、NPPVの導入により気管挿管を回避することが出来れば、早期からの経口摂取や会話が可能でVAPの危険性も低く、ICU滞在日数の減少と最終的な予後の改善が期待された。


2012年11月21日(水) No.742 (学術活動::抄録)

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