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中村理事長出演
「おはよう九州・沖縄 土曜インタビュー」(テキスト)


8月25日(土)、NHKラジオ第一「おはよう九州・沖縄」土曜インタビューのコーナーに中村理事長が出演しました。放送が聞けなかった方のために音声をテキスト化しました。

以下「おはよう九州・沖縄 土曜インタビュー」より

今月29日にロンドンパラリンピックが開幕します。日本からは135人の選手が17の競技に参加します。7月に大分市の大分中村病院は日本パラリンピック委員会から全国で3つのメディカルチェック医療機関のうちの一つとして指定を受けました。院長はアテネ、北京のパラリンピックで選手団のチームドクターを務めた中村太郎さんです。近年、福祉から競技へ変わっているパラリンピックの姿や指定病院としての役割について、中村さんにインタビューします。

―今回、ロンドンで開かれるパラリンピックにはどんな思いがありますか?
(中村)パラリンピックは福祉やリハビリテーションではなく、障がいを持ったトップアスリートたちがメダルをかけてチャレンジする場所です。ですから、あくまでスポーツ、それもエリートスポーツの頂点の大会であるということで観ていただければと思います。

―昔のパラリンピックから今のパラリンピックはどう変わってきているのですか?
(中村)ストーク・マンデビル大会がパラリンピックの前身なのですが、今から58年前、ロンドンでオリンピックが開催されたその同じ日に、ストーク・マンデビル病院でわずか15人の障がいを持った方たちが、アーチェリーの競技を行ったことがパラリンピックのルーツとされています。
昔はリハビリテーションの一環や福祉の一環といった意味で、参加することに意義があると思われていた時代があったと思います。でも今のパラリンピックは、記録やメダル獲得を重視する、まさにオリンピックと同じ勝つことを目的とした、障がい者スポーツのエリートスポーツの頂点の大会だと思います。

―障がい者スポーツ選手の健康管理にはどういった難しさがあるのでしょうか?
(中村)たとえば、脊髄損傷であれば麻痺したところは感覚がないので骨折をしても気がつかなかったり、あるいは頚椎損傷の患者さんであれば自律神経のコントロールが出来なくなっていますから、血圧のコントロールがうまくいかず血圧がずっと高いままだったりなど、個々の障がいによって気を付けないといけない点が多々あることだと思います。

―今回、ロンドンパラリンピックに先立って、日本パラリンピック委員会からメディカルチェック機関として指定を受けたのですが、この中ではどういった仕事が大きいのでしょうか?
(中村)普通のスポーツドクターの仕事がまず一つ目。それから障がいに対する治療、あるいは障がいに伴う合併症に対する治療や予防など、障がい者スポーツ特有の仕事が二つ目。最後はドーピングです。オリンピックの選手で薬を常に使っている方というのは、おそらくほとんどいないと思いますが、障がい者スポーツでパラリンピックに出場する方は、障がいあるいは障がいの合併症のために、ほとんどの選手が多くの薬を使用しています。その薬がドーピング禁止薬であれば禁止薬でないものに替えてもらったり、あるいはどうしても替えられないものはあらかじめ申請を出して、治療のために使っているのであってドーピングではないということを証明してもらったりしないといけません。その三つが大きな仕事だと思います。

―パラリンピックにおけるドーピングの基準というのはどういったものなのでしょうか?
(中村)これも多くの人が勘違いされている点があるかと思いますが、障がい者スポーツとそうでない方のスポーツで、ドーピングコントロールにまったく差はありません。オリンピックもパラリンピックも全く同じ基準でドーピングコントロールがされています。

―ドーピングの検査自体は厳しくなっていますか?
(中村)ドーピングの検査が厳しいというよりも、大会期間中に行うドーピング検査の数が増えていると思います。競技後のドーピング検査もあれば、抜き打ち検査のように無作為に選んで検査をすることで、何千という選手が調べられています。

―それは逆にパラリンピックはより競技としての性質を強めてきたということも関係はしていますか?
(中村)パラリンピックが勝利することやメダルの獲得が目標になってきていますから、やはりドーピングコントロールをすることで、スポーツとしての価値を維持しようということではないかと思います。

―パラリンピックでドーピング違反になる選手は毎回どれくらいいるのですか?
(中村)北京の時で3名、アテネの時で4名でした。特徴的なのがほとんどの選手がパワーリフティングでしかも途上国の選手です。北京は3名ともパワーリフティングで途上国の出身の選手でした。どうしてこのようなことが起きるのかというと、障がい者スポーツとは車椅子や義足といったものに成績が左右されることが非常に多くあります。先進国の選手は100万円を超えるようなカーボン製の車椅子や最先端の義足を使ってパラリンピックに出場しますが、途上国の選手はそういった高価な車椅子や義足はもちろん買えません。

―義足や車椅子などの器具を必要としない競技に選手が集中するということですね。
(中村)そうすると非常に競争が激しいので、ついドーピングという所にいってしまうのではないかと思っています。


―パラリンピックはもう福祉ではなく、オリンピックと同じように相手と競い合う競技スポーツとしての色が強いのですね。障がい者スポーツを支えてきた中村さんはパラリンピックにどんな期待を寄せていますか?
(中村)現在のパラリンピックに出場している選手には、自分たちが福祉の一環やリハビリテーションの一環として出場していると考える人はいないと思います。オリンピックと並ぶエリートスポーツの世界で戦うことが、障がい者と障がいのない人たちの世界を近づけていくのだと思います。やはり私は障がい者だけが集まる大会というのは過渡期だと思っていますので、やがてはパラリンピックが発展し、オリンピックと同じ中でやっていけるような時代が来ればと願っています。

―今日はありがとうございました。
(中村)どうもありがとうございました。

ロンドンパラリンピックには前回のパラリンピックより19カ国多い過去最多の165カ国が参加します。今回大分中村病院からは看護師の方が日本選手団の医療班としてロンドンに派遣されるということです。


(制作室)


2012年09月03日(月) No.728 (取材・報道)

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