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第47回大分脳卒中懇話会 抄録


第47回大分脳卒中懇話会/大分県大分市/2011.2.5

頭痛で発症し血管解離(後下小脳動脈、椎骨動脈)が疑われた2症例

脳神経外科
○四方 英二、瀧本 理、大林 正明

症例1は71歳、男性。平成22年7月4日、突然、嘔吐が出現し、その後激しい後頭部痛を自覚し、救急受診した。来院時、意識清明で、その他特記すべき神経症状を認めなかった。頭部CTで、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞等の異常所見なく、脳脊髄液も正常であった。その後、後頭部痛は軽快傾向を示し一時帰宅し経過を見ていたが、翌日になって頭痛が増悪したため再度来院した。頭部MRIの拡散強調画像で両側後下小脳動脈(PICA)領域に広範な小脳梗塞を認めたため入院加療となった。患者は一時期、水頭症、昏迷状態を呈したが保存的加療で症状は徐々に軽快し、独歩退院した。
第18病日に施行した脳血管撮影では右PICAは低形成で、左PICAは近位部で閉塞していた。今回の両側小脳梗塞は、両側小脳を灌流していた左PICAが血管解離により閉塞した可能性が考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。
症例2は28歳、女性 。平成22年10月18日、テレビを見ながら歯磨きをしていたところ軽い左頚部痛を自覚したが放置していた。疼痛が治らないため10/22に当科受診。頭部CTを撮影したが明らか所見はなく自 宅で様子を見ていたが、疼痛の増悪を認め10/26に再受診。頭 部MRIで左椎骨動脈解離を認めたため入院となった。 第10病日に撮影したIA‐DSAでは解離血管は改善傾向であり、後頚部痛も治癒していたことから第11病日に退院した。
2症例とも初診時に診断を確定するのは難しく、慎重なフォローが必要と考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。
2011年02月22日(火) No.620 (学術活動::抄録)

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