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フェスピックに参加して
プレッシャーと感動と学びの日々/工藤理恵(西4病棟看護師)


 今回、『KL`06fespic game』の日本代表の医療斑一員として、初めて参加させていただきました。当初は大きなプレッシャーと不安がありましたが、本部役員の方の配慮により、多くの競技を観戦することができ、毎日、感動と学びのある日々を過ごす事ができました。

 視覚障害競技では、『ゴールボール』(GB)、『柔道』(JU)を観戦しました。GBはこれまで想像がつかない競技でした。静かな室内の中、鈴の音、吹笛だけが聴こえる場所で、アイシェードを着用した選手1チーム3名同士が、鈴入りボールを転がしながら投げあい、ゴール前で防御し、また相手ゴールに入れあいます。アイシェードで全く見えない状況であるため、音だけが頼りであり、ゴールポストやコート内に引いてあるテープラインを触り、その感覚で自分の位置を把握し試合していました。見えてないはずなのに、見えているかのように投げたり、ゴールポストに入るのを阻止したりしていて、ただ、驚くばかりでした。

 JUは、健常者のルールとはあまり異ならないのですが、畳に上がる前の場所まで副審が腕を組み連れて共に『礼』を交わし、『組み手』を主審が組ませて「始め」で試合開始、お互いが離れると、「待て」の声が掛かり、選手両者の手を取り、再度組み直し試合再開という形式でした。試合は、障害の程度ではなく体重別で行われ、場合によっては不利な試合となると感じましたが、どの試合もお互いひけを取らず、手に汗握る素晴らしい試合ばかりでした。
 試合中、重量級の選手が持病であったヘルニアを痛め、畳から立ち上がれず、担架で臨時医務室に運ばれました。試合続行不可と予測されていた中、同行していた医師の応急処置と本人のキャプテンとしての責任感やメダルを獲るという強い意志で、試合復帰され見事メダルを獲得されました。メディカルスタッフとして試合会場に行き、選手のバックアップができて、本当に良い経験となりました。

 他にも今まで知らなかったことを数多く学ぶこともできました。視覚障害水泳では、選手はコース枠にあるポールに沿って泳ぐため、片方の腕が傷だらけになっていること、ターンは棒状の道具で頭を叩いて知らせること、同じ障がいであっても、それぞれ競技によって様々な特徴を学ぶことが出来ました。

 脳性麻痺の7人制サッカーでは、脳のダメージによって、身体に機能障がいを受けた人たちによる競技で、運動機能レベルのクラス分けがあり、その専門の医師やリハビリスタッフ何名かで細かくチェックし、最終で医師クラス分けするのだと聞きました。国によっては、障がいの軽い選手が多いと感じたチームもありましたが、みんな一生懸命にボールを追い、頑張っていました。いつみても明るく元気な選手ばかりでしたが、メンタル的に弱い部分があり、毎晩本部医務室に訪れ、医師に診てもらい話をするだけで落ち着く様子や、試合前に本部役員の方に悩みを相談する姿がみられました。他競技の選手も、医師の部屋を訪ね、話をして安心するということを聞き、身体面でのケアだけでなく、医師や役員の方のように、選手と信頼関係を築き、メンタル面での支えとなることも重要だと実感しました。

 シッティングバレーボールも観戦しました。下肢切断の選手が座った状態でバレーをする競技で、臀部が床についてなければいけないというルールがあり、実際に役員の方が経験した時は、何度も臀部が床から離れて難しかったと聞きました。ほとんど健常者と変わりないルール内容で、この試合もまた熱の入る試合で感動しました。
女性のチームがないことに疑問をもちましたが、下肢切断による精神的ダメージは非常に大きいために、障害を受け入れ難く、スポーツされる方が少ないということを知りました。

 全体を通して感じたことは、身体に障害はあるものの、試合される姿やメンタル部分は健常者と何の変わりはないこと、監督、コーチ、役員の支えによって、選手がベストな状態で試合に望めていることを感じました。
 医療斑としての活動を振り返ると、共にいた医師の指示によって動き、処置の介助と選手の発熱、脱水によって点滴を施行しましたが、きちんと任務を果たせてなかったように感じ、後悔する内容ばかりです。
 共に行動した医師からは毎日いろんなことを教えてもらいました。ドーピングチェックの内容や、ドーピングに引っかかる薬剤のこと、『JADA』への申請用紙を見せてもらったり、競技の内容、特徴など他にも沢山話しをしていただいて、本当に勉強になりました。
 一生に二度とないような今回の大会に参加して、多くの事を学び、本当に貴重な経験ができました。日常生活は思った以上に大変でしたが、終わってみれば2週間はあっという間でした。ああすれば良かった、こうした方がよかったという後悔する内容も含め、できるならまた参加し、選手をサポートしたい気持ちで一杯です。
 この機会を与えてくださった院長はじめ、スタッフの皆さんに感謝すると共に、現地でいろいろとお世話になった吉田さん、秋山さん、青木医師、平山さんや日本選手団の皆様に深くお礼申しあげます。ありがとうございました。
2006年12月20日(水) No.409 (障害者スポーツ::フェスピックレポート)

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