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第17回大分中村病院職員講習会の開催
医療安全管理研修『医療訴訟の回避〜コンフリクトマネジメントの基礎〜』


 大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの中西淑美氏をお招きし、『医療訴訟の回避』と題して、医療安全管理研修が開催されました。この研修は、職員の医療安全対策に関する知識の習得と苦情・紛争の生成メカニズムを科学的(心理学的・社会学的)に捉え、人の生命を扱う医療現場で起こる課題を、医療従事者が今後に生かしていくことが目的です。
 当日は、病院各部門から72名のスタッフが参加し、アップテンポで、重みのある話に耳を傾けていました。
 講義は、講師自身の体験・関与してきた医療現場・医療事故の実践、様々な心理学的・社会学的検証に伴った根拠から、"現行のリスクマネジメンの限界"、"医療事故訴訟の不毛性"、"苦情処理システムの不在"といった課題を指摘し、過失責任追求訴訟ではなく、医療従事者−患者間の信頼関係を崩さないマネジメントの必要性について、そのあり方、システムの構造について説明がされました。
 私たちは、ミスをします。何故ならば、心を持つからです。心は、教育、文化、社会、思想などにより様々な形を持ち、常に流動しています。それは時として、「慣れ」「順応」「焦り」など形を変え、「油断」「うっかり」などの気の緩みを作り、ミスという行為を生みます。そして、この気の緩みが、予期しない事故を起こすきっかけとなり、医療現場においては、人の生命に大きく影響します。
 私たち医療従事者は、そのことを肝に銘じて、これからもより一層、職員が一丸となり患者さまが安心して利用できる環境づくりを、心掛けていくように努めて参ります。

*用語説明
コンフリクト・マネジメント:
医療コンフリクト・マネジメントは、医療事故という不幸な出来事をめぐって患者側、医療者側双方に生じた感情的混乱や関係的不信、生活環境の変化などさまざまな問題を、訴訟のように敵対的・限定的にではなく、対話を通して、できるかぎり協働的かつ柔軟に解決していこうとする考え方です。

(広報情報課)
2006年08月29日(火) No.62 (勉強会・セミナー等::職員講習会)

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