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睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療の確定診断
終夜睡眠断ポリソムノグラフィ(PSG)が100回に達しました!


 当院では社会的問題となっている睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対し、循環器内科を中心としたSASの診療を平成15年6月から開始、7月5日の症例で終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)が100回を数えました。当初はテレビ、新聞などのマスメディアに大きく取上げられた影響で受診される患者さまが主体でしたが、現在では企業の健康診断に組み込まれるようにもなりました。重大事故発生の危険性とSASに対する正しい認識が社会に浸透し始めたようです。
内科部長 安部雄征
PSGの実務は臨床工学部 高気圧酸素室長の右田平八(呼吸療法士)、臨床検査部の礒田部長、小長技師、成重技師とに信頼を寄せて行っています。
左上:礒田陽三(臨床検査部長)
右上:右田平八(臨床工学部 高気圧酸素室長 呼吸療法士)
左下:小長美恵(臨床検査部)
右下:成重奈紀沙(臨床検査部)
 SASは睡眠中に起きるため本人の自覚症状が乏しく、発見が困難な病気のひとつです。イビキや無呼吸を家族やパートナーの方から指摘され、診察に来られるケースが大半です。
 SASは呼吸障害だけでなく睡眠障害を伴い、高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、脳血管障害、高脂血症、肥満といった生活習慣病や合併症を高い確立で伴う事がわかっています。特に、重症のSASでは早期の治療が生命予後に反映されるというデータがアメリカの学会から出されており、早期発見と早期治療が病気の進行をくい止める最も有効な方法です。その為には的確な診断と適切な治療装置が必要です。
 当院では、これまでにPSGにより確定診断を受け治療開始となった症例は、経鼻持続的気道内陽圧法(CPAP療法)施行32例、在宅酸素療法(HOT)施行7例でした。SAS治療による病気の改善度は97%と良好な治療成績を治めています。
 例えば、重症度評価で無呼吸低呼吸指数(AHI)が30以上は重症ですが、無呼吸が1時間に39回もあり、その為に酸素飽和度低下が70%と重篤な呼吸障害レベルまで落込んだAHI62の最重症の患者さまにCPAP療法を導入したところ、AHIが正常値の2となりイビキと無呼吸が消失して日中の眠気も取れ血圧も安定しました。このように劇的にSASが改善しています。
 しかし、数例は様々な理由から治療拒否やドロップアウトされる場合があり、問題となっています。治療継続の向上にはCPAP療法の副作用をいかに軽減するかが問われますが、循環器内科医師とコ・メディカルスタッフのチーム医療で問題解決に向け努力しています。
 当院は、より効果的なSAS診療を行うにはチーム医療は必要不可欠と考え、医師の指示により呼吸療法士や看護師、臨床検査技師、栄養士、薬剤師、理学療法士が一致団結し、患者さまの病態に合わせた装置の装着やトレーニング、生活指導を行っています。これからも患者さまの治療・QOL(良質な生活)に全力を傾けます。
(記事:高気圧酸素室長 呼吸療法士 右田平八)

2004年07月28日(水) No.163 (診療体制)

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