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救命率を上げるために…高度救急医療へ
ACLS大分NAKAMURAコース特別講習会


 「あなたが病室で様子のおかしい患者さまに気づき…」という場面から始まるシナリオ付のACLS特別講習会が当院の6階研修室で開催された。今回は、救命処置の基本でもあるBLS(Basic Life Support)一次救命処置と、特別講習としてACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)二次救命処置を主体にダミー人形を数多く(*1)使用、その中でもパソコン操作による除細動人形(ハートシム4000)をメインに様々なケースシナリオを設定している。この最新のダミー人形を使い、一刻も早く救命処置をするやり方と流れについて、医師と看護スタッフの連携やその現場に立たされた場合のリーダーとしての役割や行動のひとつひとつを学び、人と救命器材を的確にすばやく集め、医療スタッフに適切な指示をし、救命蘇生処置を実践として学習することができる内容になっている。

日本救急医学会救急専門医の
立花副院長
メイン指導医の安江医師
大分中央消防署 救命救急士
小野政則消防司令補
奮闘する伊木チーム
個別指導の様子
 まず、12月より救急車からのホットラインを自ら受信、率先して救急受け入れの窓口になっている中村太郎院長が「ACLSについて」(*2)の概要を話された後、事前学習ビデオを25分間視聴した。これで頭の講習は終り、今回の講習会のティーチングスタッフが紹介され、指導責任者には日本救急医学会救急専門医の立花副院長、直接のメイン指導医となったのが外科の安江医師である。
 最初は、安江医師によるCPR(心肺蘇生法)の講義の後、基本となる手技(Basic life support、気道管理、気管挿管、心電図診断、除細動)について、デモンストレーション、そして大分中央消防署 救命救急士(小野政則消防司令補)より個別練習の直接指導を行って頂いた。ひとりひとりが指名され、社会福祉法人「太陽の家」のPT(理学療法士)2名も特別参加し、一次救命処置として循環と換気のサポートを途切れることなく実施することを実践練習し、真剣な表情で指導を受けていた。
 一刻も早く病態にかなった処置や、実際的な蘇生技能を身に付けるためには、様々な状況設定でシュミレーションを繰り返すことが重要かつ有効であることから、指導医安江医師とACLS県医師会コースを受講し、必要なスキルを正しく身に付けている看護師4名(河野昌代、河野香澄、山下恵美、銭花洋子)が実践的に救命蘇生処置法を模範演技し、見事なチームワークとリーダーとしての行動そして的確な指示を披露した。その実践的模範演技を見ながら、見学者の中から2チーム(花岡チーム・伊木チーム)を選定して実践練習を開始した。安江医師がケースシナリオをパソコンより操作しながらの挑戦だが、少しでも手順など間違うと即座にレベル低下を引き起こすハイテク人形である。ひとりひとりの役割分担、リーダーの指示に間違いはないか、より的確な気道確保ができているか、心電図モニター診断、そして除細動のタイミングなど、医療スタッフは確実にマスターしなければならない。「絶え間ない心臓マッサージと換気」「リーダーは手を出さない代わりに、頭を使って大きな声で指示出し」それがACLS救命処置法だ。
 今回は、当院の医師、看護師をはじめ医療従事者全員を対象として取り組んだこともあり、院外からのゲスト見学者も含め約70名余りが参加した講習会になった。
 救命蘇生率の向上については、様々な国の施策がなされてきた。救急隊員の救急救命士法(平成3年制定)による資格取得や高規格車の配備・整備など、またさらに来年度より医師の指示により救命救急士が気管内挿管等の医療行為も実施できるようになるようである。病院事前救護体制の充実もさることながら、当院においては、救急に携わる医師はもとより看護師や院内の全ての医療従事者がACLSの講習受講を推進し、2次救命処置法の基本をマスターできることを目標としたい。その上で、さらなる実践的なチーム医療を確率することが、救急病院としての役割と使命であり、同時に少しでも救命率の向上が図られることを願い、今後もグレードアップしたACLS大分NAKAMURAコースの特別講習会を開催したい。ぜひ救急や救命に興味のある方の参加をお待ちしています。(立花副院長によれば、来年は1月末の予定)

(*1)レサシアン、挿管人形、リトルアン(AED)、ハートシム4000
(*2)ACLSについて
ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)は、アメリカ心臓協会(American Heart Association, AHA)が提唱する一連の救命処置法であり、エビデンスを踏まえて作成された国際的なガイドラインに基づいています。ACLSコースは、この救命処置法を広く普及させるために、AHAが実施している学習プログラムです。
コースには、講義も含まれますが、ダミー人形を使用した気道確保・電気的除細動の実習、不整脈診断に基づいたメガコード(体験学習的シミュレーション)など、実際に体を使うシミュレーションが中心であり、合理的で、教育効果が高いと言われています。

参照:「ACLS大阪ワーキンググループ」による二次救命処置講習会 資料
(広報情報課)

2003年12月12日(金) No.92 (勉強会・セミナー等::職員講習会)

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