2021年8月23日(月)、当院6階研修室において「令和3年第1回大分中村病院救急症例検討会」を開催しました。
この会は、当院への救急搬送などで日頃からお世話になっている消防署職員の皆さんと院内スタッフが、より深く連携を図ることを目的に開催したものです。
今回は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、院内会場とインターネットによるオンライン配信(限定公開)のハイブリッド方式での開催となりました。発表者以外の大分市、臼杵市、由布市、津久見市の消防署の皆さんはオンラインで、当院の医師や看護師などは院内会場での参加となり、会場・オンラインを合わせて60名程が参加しました。
はじめに、今回座長を務める当院形成外科部長の芳原聖司医師による開会挨拶の後、大分市中央消防署明野救急小隊の山元一憲さんが、12誘導心電図を使用して医療機関に読影を依頼し当院へ救急搬送した事案について発表しました。その当時の現場状況やバイタイルの測定値、12誘導心電図の画像、病院選定の経緯、搬送結果など詳しく紹介して頂きました。
また、現在大分市内の各救急車内に積載されている12誘導伝送装置と、昨年度からの伝送件数についても説明がありました。続いて、当院に搬送された患者さんについて、当院副院長(循環器内科)の渡邉充医師より、その後の経過や診断に至るまでの過程について事案検討が行われました。
その後、同じく渡邉医師が「12誘導心電図 急性冠症候群診療における意義」をテーマにレクチャーを行いました。ST上昇型急性心筋梗塞の診療と病院前心電図記録の意義などについて話した後、急性心筋梗塞など心電図の実例を詳しく紹介しました。渡邉医師は、12誘導心電図の意義を理解し、正常例・異常例にかかわらず、多くの症例を経験して習熟することが大事と話しました。
それぞれの発表後には意見交換も行われ、アンケートからは「12誘導を使用する機会が少ないので勉強になった」「循環器疾患の特徴を症例等を交えての発表だったので結びつけやすかった」「レクチャーが非常にわかりやすく職員の知識向上に繋がった」などの感想を頂きました。
大分中村病院では、こうした症例検討会を定期的に開催し、救急医療の質の向上と大分市をはじめとする地域の安心安全に努めてまいります。
(総務部 羽田野)