令和元年9月14日(土)、大分県退職現職女性教育管理職等の会「いずみ会」の大分市総会に招かれ、トキハ会館にて健康講座を開催しました。講師は当院の理学療法士で骨盤底リハビリテーションの診療スタッフを担当している織田真由美さんです。いずみ会が女性の会ということもあり、今回の健康講座では女性の健康をメインテーマに「人生の後半も輝き続けるために」と題した講演を行いました。
はじめに、2014年に国際学会で新たな疾患概念として提唱された「閉経後性器尿路症候群(GSM)」について詳しく紹介しました。GSMは閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下に関連して生じる性器および尿路の形態的変化と機能障害の総称になります。あまりなじみのない疾患ですが、中高年女性の多くが罹患しているとも言われています。主な症状としては、外陰膣症状や性交機能低下、下部尿路症状があり、今回の講演では下部尿路症状(腹圧性尿失禁・尿意切迫感)についてさらに詳しく説明がありました。
後半は尿失禁に対して有効といわれる骨盤底筋体操を紹介しました。骨盤底筋とは、骨盤の底でハンモックのように骨盤内臓器(膀胱、子宮、直腸)を支えている筋群のことで、この骨盤底筋を鍛える体操のことを骨盤底筋体操と呼びます。骨盤底筋は実際に見える部分ではないことから、解剖図などで筋肉の構造や位置をしっかり理解した上で体操をすることが大切だと話し、実際のエコー動画などを使って分かりやすく説明しました。最後に家でも実践できるよう参加者の皆さんと一緒に骨盤底筋体操を行いました。
参加者の方々はメモをとるなどして講演を聴き、後半の骨盤底筋体操では皆さん初めての経験だったようで、真剣に取り組む様子が伺えました。「目に見えない部分の体操で、ためになる話しが聞けた」「友達や家族など色々な人にこのお話を広めていきたい」といった感想を頂くなど、大変好評でした。
当院では、平成30年4月よりウロギネセンターを開設し、女性の尿もれ、頻尿、排尿困難、尿意切迫感などの女性下部尿路症状や膀胱瘤、子宮脱などの骨盤臓器脱に対し、専門的な診断、治療を行っています。産婦人科が窓口となり、泌尿器科、骨盤底リハビリテーション科とも連携しつつ、患者さんごとに最適な治療法を提案しています。 今回講演で紹介した骨盤底筋体操は、教室を毎月第4火曜日13:45から1時間半程度行っておりますので、興味のある方は是非お問い合わせください。
大分中村病院では、あなたの街の健康講座に講師を派遣しています。お気軽にご相談ください。
(総務部 羽田野)