社会医療法人恵愛会 大分中村病院

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第75回 がん化学療法・緩和ケア勉強会を開催

令和元年8月8日(木)に「がん化学療法・緩和ケア勉強会」が開催されました。当院では、最先端のがん治療と最善のケアを患者さんに提供するために、定期的な勉強会を開催しております。今回は、医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなど30名程が参加しました。
はじめに「OICの特徴と患者さんへのサポート」をテーマに話がありました。
「OIC」とはオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)を使用することで起こる便秘のことで、オピオイド誘発性便秘症(Opioid-Induced Constipation:OIC)といいます。OICには排便頻度の低下や残便感、いきみを伴う排便、排便習慣に苦痛を感じるなど、さまざまな症状があり、オピオイド鎮痛薬を使用する患者さんに高頻度で発症し、使用している間継続します。今回の勉強会では、OICの発症条件や症状、治療などについて学び、患者さんへのサポートとして、ブリストル便形状スケール等のアセスメントツールの活用法や便秘治療の目標設定、便秘の予防・改善方法など、明日からでも現場で活用できる情報が紹介されました。
続いて「呼吸困難」をテーマに外科部長の麓 祥一医師より話がありました。
まず呼吸困難の定義と疫学について説明した後、呼吸困難を訴えている患者の仮想症例をもとに、呼吸困難はどうやって評価したらよいか、薬は何を使ったらよいか、どのように療養環境を整えたらよいかなどについて、皆で一緒に考えながら勉強していきました。麓医師は呼吸困難の評価で一番大切なポイントとして患者の「主観的」な評価を第一とすることを挙げ、その他にも呼吸不全や不安の要素を伴っているか、治療可能な原因が存在するかについて考える必要があると話しました。最後に呼吸困難のケアに触れ、環境調整や酸素療法中の配慮、姿勢の工夫、不安への対応について紹介しました。
大分中村病院では定期的な勉強会を通じ、最新の医療情報をスタッフ全員が共有し、一人ひとりの患者さんに応じたがん治療を提供できるよう精進してまいります。

(経営戦略部 羽田野)