はじめに第一三共株式会社の奥秀樹さんより、「がん疼痛治療について<がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年>を参考に!」をテーマにお話がありました。
がん疼痛とは、がん患者さんに生じる痛みのすべてを含むもので、がん自体が直接の原因となる痛み、がん治療に伴って生じる痛み、がんに関連した痛み、がん患者に併発したがんに関連しない疾患による痛みの4種類に分類されています。がん疼痛治療ではオピオイド鎮痛薬を中心とした薬物療法が基本となり、痛みの機序に応じて適切に組み合わせることでおおむね良好な鎮痛が得られるとされています。
講演では、疼痛緩和の基礎知識として医療用麻薬の国際使用の実態についてお話があり、次にオピオイド鎮痛薬の定義や使い方、副作用について紹介されました。また「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年」に沿って、がん疼痛除痛ラダーや痛みの評価、オピオイドスイッチング等について詳しく話しがありました。
続いて外科部長の麓 祥一医師より「がん性疼痛の評価と治療」をテーマに話がありました。
このテーマは2回に分けて勉強することになっており、今回は前半部分になります。この講演では、仮想症例を通じて、がん患者の痛みをどのように評価すればよいのか、また痛みを緩和するためにはどのような薬物を使えばよいのかなどについて、皆で一緒に考えながら勉強していきました。特に痛みの部位と経過を聞く際に気を付けなければいけないこととして、がん患者さんの痛みが全てがんによる痛みとは限らないと話し、がん患者に生じる痛みの原因や痛みの強さ、痛みのパターンなどについて詳しく説明しました。またWHOの新ガイドラインでの変更点についても詳しく紹介しました。
大分中村病院では定期的な勉強会を通じ、最新の医療情報をスタッフ全員が共有し、一人ひとりの患者さんに応じたがん治療を提供できるよう精進してまいります。