社会医療法人恵愛会 大分中村病院

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第11回大分・別府糖尿病を考える会 市民公開講座を開催

「第11回大分・別府糖尿病を考える会 市民公開講座」が5月11日(土)、J:COM ホルトホール大分(3階 大会議室)で開催されました。会場には、市民の方々や医療関係者など約150名の方が参加しました。

はじめに、当院の中村太郎理事長より挨拶があり、続いて副院長・脊椎外科部長で日本骨粗鬆症学会認定医の田北親寛医師が「糖尿病は骨が折れやすくなるってホント?」をテーマに講演しました。講演では、骨粗鬆症とはどんな病気なのか、糖尿病と骨粗鬆症にはどんな関係があるのか、骨粗鬆症に対する有効な治療などについて詳しく紹介しました。特に糖尿病と骨粗鬆症の関係では、糖尿病の人は骨粗鬆症になりやすく、糖尿病でない人と比べ、1型糖尿病の患者さんは6~7倍、2型糖尿病の患者さんは1.5~2倍、骨折リスクが高くなるので注意が必要と話しました。最後に「糖尿病の患者さんにとって骨の評価も大切です。骨密度が高くても安心せず、生活習慣病を改善し、骨折の予防に努めましょう」と参加者に呼びかけました。

次に、当院栄養科科長の野村香代管理栄養士が「糖尿病食のキ・ホ・ン」をテーマに講演しました。講演では、まず「糖尿病食=健康食」と話し、必要な量を知り1食1食のバランスを考えた上で規則正しく食べることが、血糖値を安定させ合併症を予防することにつながり、ひいては健康寿命を伸ばすことにもつながると話しました。また、参加者の皆さんと一緒に自分に合ったエネルギー量を計算したり、実際の食事例をもとに1日のエネルギー摂取量をクイズ形式で比較したりと、糖尿病食について分かりやすく紹介しました。最後に「食事は毎日のことです。できることから始めて習慣にし、自分自身へのご褒美もうまく取り入れて糖尿病と上手に付き合っていきましょう」と話しました。

続いて、当院糖尿病内科部長で日本糖尿病学会専門医・指導医の鎗水浩治医師が「糖尿病の治療ってどうするの?」をテーマに講演を行いました。講演では、糖尿病の治療は血糖値やHbA1cばかりに目が行きがちだが、糖尿病・高血圧・脂質異常症これら全ての治療が必要で、特に大事なのは治療を中断しないことと、治療の基礎部分である食事療法と運動療法をきちんと行うことだと話しました。また、糖尿病になったら合併症を予防することが目標であって、血糖コントロールは大事な手段だが最終目標ではないと話し、その他にも糖尿病の合併症や薬物療法など様々な糖尿病に関する最新情報を分かりやすく解説しました。

講演合間の休憩時間には、当院リハビリテーションスタッフが「家庭でできる簡単エクササイズ」を紹介し、椅子に座ったままできる運動を参加者の皆さんと一緒に実践しました。また会場には、筋肉量や脂肪量が測定できる「インボディ測定」や当院看護師による「血糖・血圧・体重・身長測定」、管理栄養士に食事の相談ができる「栄養指導」のコーナーも設けられ、参加者の皆さんからも大変好評でした。

参加した方からは「骨粗鬆症と糖尿病の関係がよく理解できました」、「管理栄養士さんのお話は日常生活をする上で大変ためになりました」、「次回もぜひ参加したいです」などのお声をいただきました。
次回の市民公開講座は10月12日(土)に大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座教授 柴田洋孝先生を講師にお招きして開催予定です。詳細が決まり次第、当院ホームページなどでお知らせ致します。糖尿病でお悩みの方、糖尿病をもっと理解したい方など、多くの方のご参加をお待ちしています。

田北親寛医師

鎗水浩治医師

野村香代管理栄養士

会場の様子

血糖・血圧測定コーナー

家庭でできる簡単エクササイズ

(経営戦略部 羽田野)