平成30年11月23日(金:勤労感謝の日)、長浜小学校体育館にて、「長浜校区総合防災訓練」が実施され、防災講話にて当院副院長・内科部長の渡邉充医師が「災害時における地域医療」をテーマに講演を行いました。
長浜校区総合防災訓練は長浜校区協働のまちづくりの一環として行われており、「自分の命は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守る」という地域連帯感を育成するとともに、住民一人ひとりの防災意識の啓発を図ることを目的に行われています。訓練には長浜校区にお住まいの方400名程が参加されたそうです。
講演は大規模災害に焦点があてられ、過去実際に起きた大規模災害から、今後大分市で起きうる大規模災害を紹介し、そういった場で必要になる災害医療とその体制について詳しく紹介しました。渡邉医師は「災害医療は平時の救急医療とは異なり、災害時にはインフラや医療資源、マンパワーが不足し、供給が需要を上回った状態になります。この限られた条件の中で一人でも多くの命を助けるには、『最大多数の傷病者に最善の医療を提供すること』が求められます」と話し、災害時における体系的対応として「CSCATTT(※)」の重要性を説明しました。また、大規模災害時の医療を考えるときに大きな教訓となった災害として「阪神・淡路大震災」をあげ、その当時の教訓が現在の災害医療体制にどのような影響を与えて活かされているのかについて、災害拠点病院やトリアージ、DMAT(災害派遣医療チーム)、EMIS(災害・救急医療情報システム)などを例に話しました。
最後に最も重要なことは平時の備えと話し、災害に対する事前準備として、家庭での備蓄や災害時にすぐ持ち出せる準備をすること、また、津波や地震のハザードマップを確認し、避難できる場所を確認し、携帯電話など通信機器が使えないことも考慮して、家族で落ち合える場所を決めておくことなどを話しました。
参加された方からは「よく理解できました。改めて町内会の防災意識を高めることができました」など好評をいただきました。
(※)CSCATTT
MedicalManagement(医療管理)
C : Command & Control (指揮と連携)
S : Safety(安全)
C : Communication (情報伝達)
A : Assessment(評価)
MedicalSupport(医療支援)
T : Triage(トリアージ)
T : Treatment(治療)
T : Transport(搬送)
(日本DMAT隊員養成研修テキストより引用)
(経営戦略部 羽田野)