社会医療法人恵愛会 大分中村病院

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平成30年度 第2回大分中村病院救急症例検討会を開催

10月30日(木)当院6階研修室において「平成30年度 第2回大分中村病院救急症例検討会」を開催しました。
この会は、当院への救急搬送などで日頃お世話になっている消防署職員の皆さんと院内スタッフが、より深く連携を図る事を目的に開催したものです。大分市、臼杵市、豊後大野市、由布市の消防から救急隊の皆さんが、当院からは医師、看護師、ソーシャルワーカーなどが参加しました。また今回の救急症例検討会では、当院へ救急搬送された1つの症例について、救急隊、病院スタッフそれぞれから症例報告を行いました。
はじめに、座長を務める呼吸器内科部長の葦原義典医師が開会の挨拶を行った後、大分市中央消防署の高野恵太さんより、61歳男性が原付バイクと2tトラックの交通事故により、バイクに乗っていた方が負傷し当院に搬送された症例について、現着時の状況や観察結果、病院選定の経緯、心電図、搬送中の状況などについて発表を行いました。
続いて、当院臨床研修医の矢野心平医師が同症例のその後の経過報告として「胸部交通外傷として当院搬送された外傷性急性大動脈解離の一例」と題した発表を行いました。搬送時の血液検査所見や搬入時の胸部X線、CT、心電図などについて詳しく説明し、外傷性急性大動脈解離と診断された後の経過や、当院から他院への転院後の経過などについても報告しました。また、今回の症例に深く関係する高エネルギー外傷やFAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma:外傷の初期診療における迅速簡易超音波検査法)についても詳しく紹介しました。2演題発表後には参加者による意見交換なども行われました。
最後に、循環器内科の渡邉充医師(副院長・内科部長)が「12誘導心電図の意義」をテーマにレクチャーを行いました。主にST上昇型急性心筋梗塞の診療および病院前心電図記録の意義や心電図について、また急性心筋梗塞の心電図実例を複数紹介しました。
アンケートからは「非常に良い勉強会でした。また参加したいです」「12誘導心電図のレクチャーは大変面白かったです。勉強になりました」などの感想を頂きました。
大分中村病院では、こうした症例検討会を継続して開催し、救急医療の質の向上に努めてまいります。

大分市中央消防署の高野恵太さんによる発表

矢野心平研修医による発表

(経営戦略部 羽田野)