第100回 大分・別府糖尿病勉強会が1月9日(火)、当院6階研修室で開催され、当院のスタッフや県内の医療機関から70人以上が参加しました。
この勉強会は、日本糖尿病学会認定教育施設である当院で、日本糖尿病学会専門医・研修指導医である糖尿病内科部長の鎗水浩治医師が毎月1回開催しているもので、糖尿病についての最新の治療法や薬品などの情報が共有されます。
今回の講師は、当院副院長で形成外科部長・手外科センター長の亀渕克彦医師で「糖尿病と形成外科」をテーマに(1)糖尿病と形成外科、(2)糖尿病と手外科(3)予防と治療についての余談の3つの項目立てでお話ししました。
亀渕医師のもとには、糖尿病であることに対して全く自覚がない患者さんが訪れることも多く、「キズが治りにくかったり」「感染しやすい」ことから、まずは糖尿病内科の鎗水先生のもと、血糖のコントロールを行ったうえで、処置や手術をすることもあるということです。また、「糖尿病爪白癬」の写真を実際に示しながら、糖尿病患者さんは、健常者の3倍「爪白癬」になりやすいことなどが挙げられました。そのうえで、最近はハケで塗るタイプの効果的な塗り薬もあることから、そうした症状がある患者さんの受診についても報告されました。
そして、血糖を含めた全身状態のコントロールがとても重要だとしたうえで、形成外科の分野では、感染のコントロール、壊死組織の除去(デブリードマン)、良好な肉芽形成をして、創閉鎖する「局所処置」を行っていくことなどが説明されました。最後に、創に対しては「湿潤療法」と呼ばれる、①消毒しない②乾燥させない③水道水でよく洗うという療法が有効で、生理食塩水より水道水でよく洗ったほうが予後が良いという論文があることなども紹介されました。
鎗水医師は「記念すべき100回目の勉強会に、亀渕先生にご講演いただきとても有意義な会となりました。糖尿病が全身に関わる怖い病気で、治療の継続がとても重要だということが改めて実感できたのではないでしょうか」と挨拶しました。
大分中村病院は一般社団法人日本糖尿病学会より「日本糖尿病学会認定教育施設」に認定されています。認定教育施設として認定されるためには、常勤の研修指導医がいること、糖尿病の専門外来があること、食事指導が常時行われていること、定められた症例数を満たしていることなどが必要です。地域の皆さんのご要望があれば、糖尿病専門医による出前講座も無料で提供します。ぜひ当院へお問い合わせください。
(広報企画 村上)