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虫垂切除術について

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社会医療法人恵愛会 大分中村病院
大分市大手町3-2-43 〒870-0022
TEL:097-536-5050
http://www.nakamura-hosp.or.jp


■編集:外科 ■文章更新:2013年12月1日

虫垂(盲腸)

本疾患は一般には「盲腸」と呼ばれることもありますが、盲腸は虫垂がつながっている大腸の部分の呼び名であり、この病気の炎症を起こしている場所は虫垂ですので「急性虫垂炎」というのが正しい呼び名です。
小腸と大腸の境が右下腹部にありますが、この境い目近くの大腸(盲腸)から出ている部分が虫垂と呼ばれています。 人間では虫垂は退化しており、ほとんど何の働きもしていないとされています。正常の虫垂は、太さは4〜5o、長さは 5〜8p 程度です。この虫垂に何らかの原因で炎症がおこり、化膿した状態が急性虫垂炎です。
急性虫垂炎の原因はわかっていませんが、異物や固まった便が細い虫垂の内腔に詰まることで生じることもあるとされています。症状は、まず臍の周りやみぞおちのあたりが痛くなり、時間の経過とともに右下腹部に痛みが移動する例が多く、炎症がすすんで周囲に波及すると下腹部全体が痛くなります。熱は 37℃から 38℃程度が多くみられます。



虫垂炎の治療


治療は、@絶食により腸の安静を保ち抗生剤で菌を殺す治療、A炎症の原因である虫垂自体を切除する手術療法があります。
ごく初期の虫垂炎の場合は@の方法で改善することもありますが、虫垂の炎症が強く腹膜炎を起こしている場合や虫垂自体が穿孔を起こしている時には手術療法が必要となります。



手術療法について


炎症の原因となっている虫垂の切除と貯まった膿の排出が基本となりますが、病状の程度により難易度がかわります。また手術療法には従来より行われている 2〜5pの傷で行う開腹手術と腹腔鏡を用いて行う方法があります。治療法の選択については、局所(虫垂部の炎症の程度)・全身状態(体格、肺機能、心機能等)を総合的に考え、いずれかの治療法で行います。また、術中に急性虫垂炎ではなく他の病気であると診断された場合には、その疾患にあわせた処置をとります。
大腸憩室炎の場合には何もしないか、ドレーンを挿入して終わります。一方、非常に高度の大腸憩室炎の場合等、腸の切除を行った方が良いと術中に判断した場合には、腸を切除し、吻合する事もごく希にあります。


手術の合併症について


虫垂の周囲や皮下からの出血があり、術後に再び外科的な止血が必要となることがあります。また、ひどい虫垂炎の場合傷口に膿がたまったり、お腹の中に膿がたまることがあります。そのため高熱が出ることがあります。多くは抗生剤で改善しますが、多量の場合はドレナージといって手術的に膿を抜く場合もあります。また、非常に稀ですが、虫垂の切って閉じた断端や腸と腸のつなぎ目がうまくつかず、そこから腸液がもれる事があり、この場合は、再手術が必要になることがあります。
合併症は、通常、術後数日以内におこりますが、術後長期経過後の合併症として、癒着による腸閉塞があります。これらの合併症以外にも、予期せぬ合併症が発生する可能性もありますが、合併症発生時には担当医より説明のうえ、ただちに適切な治療を開始いたします。

麻酔について


これらの手技を行うにあたって、痛み止めなしで行なう事は不可能であるため、この痛みを感じないようにするため麻酔を行ないます。一般的に、開腹手術の場合には、腰から針を刺す腰椎麻酔か、背中にチューブを入れる硬膜外麻酔で行ないます。また虫垂炎がひどく大きく開腹する場合や腹腔鏡下手術、内服薬(抗凝固剤)などによっては全身麻酔となることもあります。手術終了時には麻酔薬を減量して目を覚ますようにしますが、覚醒が不良の場合には挿管したまま病室に戻り、時間をかけて麻酔を覚ます事があります。手術直後には点滴以外にも、酸素マスク、胃管、心電図、血圧計、酸素飽和モニター、ドレーン、尿道バルーンなどが体につながった状態で病室(観察室)に戻ります。

麻酔の合併症について

(腰椎麻酔)
*局所・全身状態及び麻酔深度によっては全身麻酔になることもあります。
@術中:血圧低下、呼吸抑制、悪心・嘔吐など
A術後:頭痛、脳神経麻痺第V・W・Y・Z・Z脳神経(特に外転神経麻痺による複視)、脊髄神経麻痺(馬尾症候群)、髄膜炎など


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