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床ずれ

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社会医療法人恵愛会 大分中村病院
大分市大手町3-2-43 〒870-0022
TEL:097-536-5050
http://www.nakamura-hosp.or.jp


■指導:形成外科部長 亀渕克彦  ■編集:制作室 ■文章作成:2003年3月20日

床ずれ(褥瘡-じょくそう-)とは…

体圧(体重による圧迫)で皮膚の血流が途絶えると、その先の細胞に栄養や酸素が行かなくなり、皮膚組織に壊死が起こります。これが床ずれです。また、車いすやベッドで、ずれの力を生じることも原因の一つです。
健康な人の場合、ある部分が圧迫され続けると、たとえ睡眠中でも、無意識のうちに体位を変えます。しかし、痛みを感じない人や、痛みを感じても体を動かすことができない人は、適切な体位変換ができないため、床ずれが起こりやすくなります。最も床ずれが起こりやすいのは、仙骨部(おしりの部分)で、あおむけに寝た場合、仙骨部には体重の44%の重みがかかります。かかとや太ももの付け根の部分も起こりやすい場所です。下半身麻痺などで車いす生活の方は、坐骨部に床ずれができやすくなります。


原因

高齢、重度外傷、脊髄損傷などにより、寝たきりになったり、体に麻痺がある場合、骨の突出部が長時間圧迫され、局所の血行障害が起こります。

局所的な要因
・老化により皮膚に潤いがなくなり、組織も薄くなり、傷つきやすくなる。
・老化や障害などで知覚麻痺がある。
・骨の変形などで骨の突出度が大きくなる。
・患部に病原体が感染すると、さらに難治性になる。

全身的な要因
・糖尿病や閉塞性動脈硬化症などの基礎疾患があり、 血液の循環が悪い。
・栄養状態が悪く、全身の抵抗力が低下している。


予防

体圧の分散
寝たきりの場合でも「あおむけ」と「横向き」に寝た姿勢は可能です。3つの体位を組み合わせたスケジュールを立て、体位変換を行います。できれば「腹ばい」も組み入れると良いでしょう。また、ウレタンマットレス、エアマットレス、ウォーターマットレスなどの「体圧分散器具」を用いるのも効果的です。それぞれ長所、短所があるので、医師や看護師に相談して利用しましょう。
座ることができる場合、その姿勢が大切です。股関節、膝関節、足関節がそれぞれ90度に曲がる姿勢をとると、太ももの後面全体で体重を支えることができます。テーブルやいすで体を支えて持ち上げる「プッシュアップ」ができる人は、定期的に行うと良いでしょう。

基礎疾患の治療と栄養状態の改善
糖尿病などの基礎疾患との関係を考慮しながら、全身の状態を良くするために必要な栄養を取るようにします。栄養摂取の方法には、口から食事を取る方法、チューブで胃や腸に流動食を入れる方法、点滴で栄養を静脈に注入する方法があります。全身状態を高めるためには、できるだけ口から食事を取るようにしましょう。


治療

保存療法
壊死組織を除去します。はさみで切除したり、酵素製剤で除去します。感染がある場合、切開して膿を出し、抗生物質を投与します。滲出液を吸い取り、生理食塩水で洗い、こまめにガーゼ交換をします。肉芽形成を促す外用薬を使います。患部の状態によって、適切な治療をすることが大切です。

手術療法
保存療法では感染が鎮静化しない場合や治療に長時間かかりそうな場合、保存治癒が望めない場合に手術療法を行います。手術は、部位や大きさにより様々な方法がありますが、一般的には、皮膚をずらして移動させ、傷を閉じます。手術によって治癒しても、その後の管理を怠ると再発する可能性があります。

床ずれは、きちんとケアをすれば防ぐことができます。「寝たきりだから仕方がない」と思わず、早期に専門の医師に相談するようにしましょう。

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